教育費やマイホームの購入、そして老後の生活資金のために収入を少しでも増やしたいと考える方は多いのではないでしょうか。しかし、すぐに現勤務先の給与を大幅アップさせるのは至難の業かもしれません。

そこで今回おすすめしたいのは不動産投資で収入を増やすという方法なのです。不動産投資において多くの方が気になるのは、「不動産投資は副業に当たるのかどうか」という点ではないでしょうか。

もし副業に当たるのならば、勤務先の就業規則違反になる可能性もあります。そこで今回は、不動産投資で収入を得ることが副業に当たるのかどうか、そして、収入を得る際に気を付けないといけない点についてご紹介します。

1.不動産投資を始めたい!でも副業に当たるの?

結論から述べますが、ほとんどの場合、不動産投資で家賃収入を得ることは副業には当たりません。その理由は以下の3点です。

  • 家賃収入は不労所得のため、本業に支障が出にくい
  • 情報漏洩のリスクが少ない
  • 親が営んでいたアパート経営を相続するなど、やむを得ない場合もある

次項でこれらの理由についてもう少し詳しく解説していきます。

1-1.不動産投資が副業にならない理由

不動産投資が他の副業と大きく違う点は、「自分で業務を行う必要がなく、それに対して時間や労力を割く手間がほとんどない」ことです。多くの場合、副業は、本業の終業後や休日に他の勤務先や自宅などで業務を行うことになります。

そのため、副業による疲労で、本業に支障が出てしまう可能性も考えられるでしょう。しかし、不動産投資ならば、自分で業務を行う必要がほとんどないため、労力や時間を無駄にすることがありません。

そして、他の勤務先で働かなくてもいいという点は情報漏洩リスク回避の観点からもいいことだといえるでしょう。副業の勤務先で得た情報であっても本業の勤務先に漏れることはあってはなりません。不動産投資ならば、他の勤務先に出向いたり、クライアントに会ったりする必要がほぼないため、漏洩リスクは非常に少なくなると考えられます。そのため、「情報漏洩を防ぐために副業を禁止している」という規則には反しないとされるのです。

また、親の代から不動産を相続などで引き継いでいる方もいらっしゃいます。そのため、相続して不動産の運用を続けているケースを副業とは見なさない企業も多くあります。

1-2.副業と見なされる場合もある?

とはいえ、不動産投資が副業と見なされる場合もありますので注意が必要です。例えば、多くの物件を運用するなど、大規模に不動産投資を展開しているケースです。具体的には不動産賃貸業として認められる「5棟10室」以上になると個人で投資していたとしても事業扱いとされ、不動産投資であっても副業と見なされる恐れがあります。

また、本業の業種によっても注意しないといけません。特に公務員が不動産投資を行う場合です。例えば国家公務員の場合、人事院規則14-8に「営利企業の役員等との兼業の運用について」という項目があり、本業以外の収入を得ることの可否について、細かく規定されています。場合によっては、民間企業では副業と見なされないような規模の不動産投資も副業と見なされるかもしれませんので要確認といえるでしょう。

人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について
https://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/14_fukumu/1403000_S31shokushoku599.html

2.不動産投資が副業と誤解される理由とは?

前項では不動産投資は大規模ではない限り、ほとんどの企業で副業とは見なされないことについて解説しましたが、副業だと誤解されてしまう場合もあるようです。その理由について考えてみましょう。

不動産投資の魅力は何といっても「定期的に収入が入る」ことではないでしょうか。保有する物件に借主がいる限り、決まった金額が継続して入金されるので、そのことから事業だと捉えられることもあるようです。しかし、前述したとおり、一定規模以下の不動産投資ならば不動産賃貸業にはあたりませんので、事業扱いにはなりません。

これから不動産投資を始めるにあたり、勤務先に説明する必要があるのならば、この点を明確にアピールしておくべきでしょう。

2-1.不動産投資をする際に気を付ける点

本業とは別に不動産投資をしたい場合、気を付けないといけない点はいくつかあります。まずは勤務先に必ず不動産投資を始めることを報告しておくという点です。どのくらいの規模で投資を行うかも説明しておければ、なお良いでしょう。

その際に、勤務先の規則で不動産投資が副業に当たらないかを今一度確認しておいてください。

そして最も大切なのは、本業をおろそかにしないことです。不動産投資は他の勤務先に出向くことがないため、時間や労力はそれほど必要ありません。とはいえ、不動産会社との連絡や確定申告などをする必要は出てきます。これらによって本業に支障をきたさないようにしておきましょう。

3.確定申告は大切!必要になる例を確認しておこう

本業以外でも一定以上の所得(利益)を得ると確定申告やその分の税金を支払う義務が生じます。小規模で不動産投資をしているならば、申告しなくても分からないのでは?と考えてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。申告していないことが判明したために、隠れて副業をしていると誤解されることも少なくないのです。

ではどのくらいの所得を得れば、確定申告の義務が生じるのかを確認しておきましょう。

3-1.どのくらい収入があれば確定申告が必要?

本業以外で年間20万円以上の所得があれば確定申告を行い、税金を支払わないといけません。不動産投資における確定申告の要否には物件規模の大小は関係ありません。所得額が問われます。

確定申告の義務が生じるのは20万円以上の「所得」がある時です。所得は収入から経費を差し引いた額です。簡単には以下の計算で算出することができます。

(収入金額-必要経費)×所得税率

不動産投資をして、物件を保有すると必要に応じて修繕をすることも予想されるのではないでしょうか。その場合、かかった修繕費は経費になるため、収入から差し引いて所得を計算することになります。区分所有マンションの場合には、管理組合に対して毎月、修繕積立金を支払いますが、このお金も経費として扱われます。また、固定資産税、損害保険料なども経費に含まれます。

不動産投資による収入についてですが、入ってくるお金は家賃だけではありません。礼金も収入に含まれます。さらに更新料・共益費や管理費、駐車場を併設している物件の場合は駐車場の利用費も収入です。家賃収入だけで20万円を超えなかったから確定申告の必要はないのでは?と考えがちですが、これらの収入のことも忘れないようにしましょう。

不動産投資での収入・経費については複雑な点も多いため、投資を始める前に不動産会社に相談して、理解しておくことをおすすめします。

所得税の速算表
課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え 900万円以下23%636,000円
900万円を超え 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

出典:国税庁「所得税の税率」

3-2.確定申告はどうすればいいの?

企業に勤務しているならば、通常、税金は給与から天引きされます。しかし、不動産投資による収入をそのまま申告してしまうと、天引き時に勤務先にどのくらいの収入があるのかが分かってしまいます

それを防ぐには、確定申告書の方法に工夫が必要です。その方法は、確定申告書第二表の「住民税に関する事項」欄で「自分で納付」にチェックを付けるというものです。そうすれば、住民税は給与から天引きされるのではなく、納付書を使って自分で納付することができるようになります。

さて、実際に確定申告をする場合、気を付けないといけない点があります。申告の期限、そして納付の期限を必ず守るということです。申告期限を過ぎて書類を提出すると追徴課税されてしまう可能性も出てきます。必要以上に税金を支払うことを防ぐためにも期限は守りましょう。

4.不動産投資を行う前に必ず職場に相談すべき理由

不動産投資を勤務先に知られたくない、という人もいるかもしれません。特に収入に関わることになるため、誰にも知られずに始めたいと思うかもしれません。ただ、事前に必ず勤務先には相談をしておくことをおすすめします。

その理由は、就業規則を改めて確認することで、不動産投資を行っても問題ないと確認するためです。

勤務先によっては、不動産投資をすることで本業がおろそかになるかもと懸念しているところもあります。本業がおろそかになることはないと伝えるためにも一度報告しておきましょう。

また、公務員のように本業以外の収入を得ることの可否について厳しく規定されているところもあります。通常は副業に当たらないとされる不動産投資ですが、厳しい勤務先ならば副業と見なされる恐れもあります。就業規則に違反しないことを確認するためにも、相談はあらかじめしておいてください。

5.まとめ

不動産投資で家賃収入を得ることはほとんどの場合副業には当たりません。しかし、5棟10室を超える時など、一定の規模を超えたら事業扱いになり、副業と見なされる可能性が高くなります。そして公務員など就業規定が厳しい場合も要注意です。

不動産投資は一度借主が付いたら継続的、そして安定的に収入を得られる手段となります。そのため、定年退職後や、身体を壊すなどして自分で働けなくなった場合の収入源としても期待できるはずです。

まずは、信頼できる不動産会社を見つけて自分の資産でどのくらいの投資ができるか、そして収入についてもですが、税金などに関する疑問について質問してみてはいかがでしょうか。