定年退職後の生活費として公的年金を頼りにしている人は多いことでしょう。

しかしながら、昨今の報道などでは年金の少なさが問題になっており、満足できる生活を送れるほどの金額を受け取れないのではないかという不安は広がっていくばかりです。

また、その不足分を補うものとして現役世代のうちからご自身で貯蓄に励んでいる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、銀行などの預貯金は低金利のため、思ったように資産を増やせないのが現状です。

そこで、将来の年金対策として他の方法がないかを考えてみましょう。今回は、年金対策の1つとして、マンション投資が有効なのかどうかについてご紹介します。

年金だけでは将来が不安!どうやって対策する?

まずお伝えしたいのは、年金対策としてマンション投資は有効であるということです。その理由は、マンション投資は借主からの家賃が毎月入ってくるため、安定的な収入につながるからです。

公益財団法人生命保険文化センターの『令和元年度「生活保障に関する調査」』では、「老後生活に不安あり」と回答している人が全体の84.4%もいます。

また、その不安の内容ですが、「公的年金だけでは不十分」という人が82.8%と最も高く、次いで「日常生活に支障が出る」(57.4%)、「退職金や企業年金だけでは不十分」(38.8%)、「自助努力による準備が不足する」(38.5%)といった回答が続きます。お金に関する不安を抱えいる人が少なくないことが分かる調査結果です。

※出典:公益財団法人生命保険文化センター『令和元年度「生活保障に関する調査」《速報版》』

不安を払拭するために確認しておきたいのが、老後に必要な生活費用です。生命保険文化センターの同調査によると、夫婦2人が老後生活を送る上で必要と考えられている最低日常生活費は平均22.1万円という結果が出ています。

しかし、この22.1万円は最低限の必要な金額だということを忘れてはいけません。旅行や趣味、外食などを楽しみたいと思うのならば、もっとお金が必要になってきます。ゆとりを持った生活のためにはどのくらい必要なのかも気になります。

この点についても調査結果があり、「老後のゆとりのための上乗せ額」は平均14.0万円という結果が出ています。生活費とゆとりのための上乗せ額、合わせて月に36.1万円ものお金が必要になるのです。

年金だけでこれだけのお金を準備することができるでしょうか。また、使うほど目減りしていく貯蓄だけでは十分だとは言い切れないかもしれません。そのため、安定的な収入が見込まれるマンション投資を公的年金にプラスすることは有効だと考えられます。

マンション投資が年金対策として選ばれる理由とは?

さて、前章で老後の必要最低限の生活費、そしてゆとりある生活を送るためにどのくらいのお金が必要かをご紹介しましたが、この章ではマンション投資が年金対策に選ばれている理由を解説します。

マンション投資は貯蓄よりお得?

マンション投資について考える前に、知っておきたいのが「年金はいくらもらえるのか」ということです。

厚生労働省発表の「平成29年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、平均年金月額は国民年金の老齢年金部分で5万5,518円(25年以上加入)、厚生年金保険の老齢年金部分で14万4,903円です。

こちらにプラスして企業年金や私的年金に加入しているという人もいるでしょう。ですが、「余裕のある暮らし」には少々足りない印象ではないでしょうか。

また、貯蓄を頼りにしたいという人もいるはずです。厚生労働省の『平成28年度 国民生活基礎調査「各種世帯の所得等の状況」』によると、1世帯当たりの平均貯蓄額は1,031.5万円です。このお金を全て生活や趣味、旅行などの楽しみのために使えればいいのですが、病気になった時のことも考えなければなりません。また、持ち家の場合は家の修繕などにお金を使うことになるかもしれません。

さらに、現在は低金利状態です。お金を銀行に入れていても、ほとんど増えることはありません。大手銀行の定期預金でも金利0.01%であるため、1,000万円預金しても年間1,000円の利息しか付かないのです。

そこで、年金にプラスできる収入源として挙げられるのがマンション投資です。マンション投資ならば、借り手から家賃が入ることで安定的な収入が期待できます。毎月一定の金額が入るため、楽しみに使うゆとり資金だけではなく、新たな貯蓄に回すことも可能です。年金世代でありながら、資産を減らすだけではなく新たな資産を作ることができるというのは非常に魅力的ではないでしょうか。

特に最近は長生きすることで蓄えていた貯蓄を使い果たしてしまう「長生きリスク」も問題になっていますが、マンション投資ならば定期収入が期待できるため、長生きリスク、すなわち長命になったが故に貯蓄が全て無くなるというリスクにも対応できるはずです。

マンション投資は長期的なリターンも期待できる!

さて、投資といえばマンション投資でなくてもいい、株式やFXへの投資の方が実際にやっている人も多いので身近だ、と思うかもしれません。確かに株式やFX投資もいいでしょう。ただ、覚えておきたいのは、マンション投資は安定的で長期にわたってリターンが期待できる投資であることです。

例えば、株式やFX投資ではタイミングを見て売買して利益を得ることになります。自分の予想通りの値動きで利益が得られればいいのですが、予想外の値動きで大きな損をすることもあります。また、動きが激しい銘柄・為替に投資してしまった場合、売買するタイミングを見るために、日中ずっと値動きを確認しないといけなくなるかもしれません。長期的に同じ金額が入ってくるとも限りません。

それに比べ、マンション投資は一度借り手が付くと、定期収入が入ります。同じ借り手が同じ物件に数年間住み続けることも珍しくありません。借り手がいる間は収入が途切れることはないと考えておいていいのです。

長い目で見てメリットが多いマンション投資

体力に自信があるため、年金世代になっても働き続けて収入を得たいと考える人もいるでしょう。ですが、本当にそれが叶うのでしょうか。急な病気で仕事を辞めざるを得なかったり、体力の低下で現役時代ほど長時間働けなかったりする可能性もあり、期待していたほどの収入につながらないかもしれません。

マンション投資ならば、自分で仕事をして収入を得るわけではないため、病気になっても収入が見込まれます。老後の健康リスクの観点からもマンション投資はベストな手段の1つだと考えていいのです。

マンション投資をどうやって始める?

年金世代の安定的な収入源として期待されるマンション投資ですが、どのようにしてはじるのでしょうか。そしてどのくらいの資金が必要になるのでしょうか。これらについても詳しく見ておきましょう。

資金はどのくらい必要?

資金を準備する前に投資に値する物件を探すことになります。まずは立地や建物の状態を確認しないといけません。例えば、通勤に便利な場所や大学等の近くならば単身者が多く住むため、マンション需要が高いと考えていいでしょう。

さらに、管理の仕方についてもチェックしておく必要があります。マンション投資には修繕費・管理費といった経費もかかります。この経費に見合った管理をしてもらえるのかも見ておいてください。

物件探しの際は信頼のおける担当者に相談しながら進めましょう。

さて、ここからは必要な資金についてです。登記をする必要があるため、諸経費は必ずかかります。一例ですが、以下の条件のマンションに投資したときの諸経費を見てみましょう。

物件の詳細:東京都江東区(最寄り駅まで徒歩8分)11階の1K
販売価格:3,570万円
家賃:11万500円
借入金利:1.700%
借入年数:35年

このマンションの場合、必要な諸経費は約70万円です。これならば、すぐにでも準備できると思われるのではないでしょうか。

また、投資をする際の頭金について悩む方もいるかもしれません。頭金を準備して、総返済金額を減らしておくことが月々の返済額を減らすことにつながります。上記の条件の物件に投資をする際、頭金を500万円入れていた場合の月々返済額は9万7,351円、頭金なしの場合の月々返済額は11万2,838円です。月々の負担を減らしたいという人はぜひ頭金まで準備しておきましょう。

マンション投資の収入と支出についても確認しておこう!

マンション投資では、「家賃収入=全てが自分の収入」になるわけではありません。必要経費のことも頭に入れておかないといけません。先程ご紹介した投資物件の場合、月々の管理費・修繕費は1万860円です。この金額は月々の家賃収入から差し引かれます。そのため、毎月入ってくる金額は以下のように計算できます。

(家賃収入)11万500円-(管理費・修繕費)1万860円=9万9,640円

月の収入は9万9,640円です(サブリース契約の場合)。頭金500万円を入れていれば、月々2,289円のプラスが出ますが、頭金が全くない場合は月々13,198円のマイナスになります。

もちろん、ローンの返済が完了すれば定期収入が安定的に入ることになりますが、頭金を全く入れないとするならば、返済額が多くなるのですから、初めのうちは収入が見込めないと考えておかないといけないでしょう。

現役世代のうちはマイナスでも構わない、ローンの返済が終わった老後になって収入が入るようにしたいと考えるならばそれでもいいでしょう。ただ、投資した直後から収入が欲しいのならば、頭金を準備しておく方がよさそうです。

月々の家賃収入や必要経費、そして借入額や毎月の返済額については、契約前によく担当者と話し合ってから決めるようにしてください。

マンション投資を始めた後にかかるお金

マンション投資というと、始める前の自己資金(頭金)やローンなどといった資金計画に目がいきがちですが、実は始めた後にも定期的にかかる税金や費用があります。どのようなお金が発生するのか、みていきましょう。

・固定資産税・都市計画税
毎年かかる税金で、その年の1月1日時点で所有している人に対して土地と建物それぞれに課税されます。そのため、物件購入前に税額を計算して固定費として計画しておくとよいでしょう。

<固定資産税>
全ての不動産に適用される税金です。固定資産税は「課税標準(固定資産税評価額)×1.4%」の計算式で算出されます。

<都市計画税>
都市計画区域内の市街化区域にある不動産を対象に課税される税金です。納税方法は一括払いと年4回の分割払いのいずれかを選択することができます。都市計画税は「課税標準(固定資産税評価額)×0.3%(最大税率)」で算出されます。

・管理費と修繕積立金(区分マンション物件の場合)
部屋単位で所有する区分マンション投資をする場合、毎月管理費と修繕積立金を支払う必要があります。管理費はマンションの共用部分の維持や修理に必要となる費用です。修繕積立金は将来起こりうる、物件の大規模修繕工事のために積み立てられるお金です。いずれも管理組合から徴収される固定の費用になります。

その他の費用として、ローンの借り入れ条件になっている火災保険の加入があります。これは現金で一括購入する場合でも、万が一のリスクを考えて必ず加入しなければならない保険です。ほかにも、入居者の退去後にはハウスクリーニングが必要になります。ただし、水回りだけ専門家に任せて、残りの部分は自分で作業すれば代金を抑えることは可能です。物件のメンテナンスの費用としてリフォーム代も挙げられます。これは入退室の度に必要になる費用ではありませんが、部屋の壁紙や水回りなど経年劣化によってリフォームをする必要が出てくるでしょう。

このほかにも、クーラーや給湯器など備え付けの設備が壊れた場合には、オーナーが修理費用を負担しなければなりません。費用をどの程度用意すべきか、発生するタイミングも故障内容も予測ができないので明確な額面の相場はありません。

詳しくはこちら|不動産投資の初期費用について知ろう!いくらあれば、はじめられるの?

知っておきたいマンション投資の失敗例

マンション投資は元本が保証されている銀行預金と違い、さまざまなリスクがあることも理解しておきましょう。マンション投資に多い失敗例は次の3つです。

・空室が続き、家賃収入が入ってこない
「安定した収入が欲しい」と始めたマンション投資でも、空室が続いてしまうと期待していた家賃収入は得られません。対策のひとつとして、不動産会社が物件をオーナーから借りて転貸するサブリースを利用するのもよいでしょう。空室状態になっても契約業者が家賃を支払ってくれるので、家賃が得られないといった失敗を防げます。

・購入後に物件周辺の環境が変化した
物件の立地がマンション投資の成否を決めるといっても過言ではありません。しかし「大きな大学が近所にある」「企業密集地だ」などと立地の良さを過信するのは危険です。すでに人口減少に転じた日本では、いつ少子化で大学が閉校するかわかりません。また、企業も移転の可能性はつきものです。こうした失敗を防ぐには、交通の便が良い、複数の大学や企業・工場がある、商業施設がある物件を選ぶことが重要です。ひとつの大学や企業に依存せず、幅広い需要が期待できる物件を購入しましょう。

・修繕費用が想像以上にかかってしまう
部屋の床や畳、壁紙が傷んでいたり、キッチンや風呂の設備が古い物件は、入居者の募集や、長く住んでもらうためにも修繕を検討する必要があるでしょう。また、築年数が経過しているマンションのなかには、旧耐震基準に該当する物件が多くあります。こうした物件は耐震改修による修繕費用が発生してしまうので、マンションの下調べは念入りに行いましょう。立地条件はもちろん、こうした費用面を総合的に考えて購入を判断すれば予想以上に修繕費がかさむ失敗を防げるはずです。

詳しくはこちら|【リスクから学ぶ】マンション投資|失敗しないために必要な対策とは?

まとめ

年金対策としてマンション投資が有効である理由、そして必要な資金についてもご紹介しました。

マンション投資は敷居が高そうに見えるかもしれませんが、ほかの投資手段に比べて安定的、かつ、長期的な収入確保にもつながります。老後で体力に自信が無くなっても、自分が外で働くことなく収入が入ってくるマンション投資。ぜひ年金対策の一つとして、検討してみてはいかがでしょうか。