子どもの教育資金の足しや老後の生活資金の備えとして資産運用を検討している方も多いと思います。資産運用には、安定した家賃収入が期待できるマンション投資などがありますが、リスクばかりが気になってはじめられていないという方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、マンション投資とはどんなものなのか、また失敗しないために必要な対策をリスクとともに解説します。

マンション投資とは?

 

マンション投資とは、マンションの1室を購入して貸し出すことで家賃収入を得るという資産運用の手段の一つです。

マンション投資には、以下の4つのメリットがあります。

金融機関の融資を受けられる

マンション投資は資産運用の中で唯一、金融機関の融資を受けながら行える資産運用です。そのため、自己資金が少ない方でも不動産投資に挑戦することが可能です。

安定した家賃収入が期待できる

マンション投資では、株式投資のように大きな利益が得られるというわけではありません。しかし、継続的に安定した家賃収入が得られます。毎月副収入を得られるため、定年後の私的年金代わりになり、余裕のある老後を過ごせるようになります。

生命保険効果がある

金融機関の融資を受ける際は、借入者が亡くなったり、高度障害になってしまったりなど、途中で返済不能になった場合に備えて団体信用生命保険に加入します。特約を付ければ、がんや脳卒中、糖尿病などになった場合でも保険金が支払われます。保険金でローン残高を完済でき、家賃収入を得られるマンションが手元に残るため、生命保険代わりになります。また、マンションを売却することで、まとまった現金を得ることも可能です。

節税効果が期待できる

家賃収入などの不動産所得は、給与所得などと合算して課税する総合課税に分類されます。そのため、不動産運用にかかった費用や減価償却費(減価償却によって発生する経費)を経費として計上すれば、所得税と住民税を節税できる場合があります。また、相続時には現金とは違い、マンションの評価額を7~8割に減らせるので、相続税の節税にもつながります。

年金効果が期待できる

老後の必要最低限の生活費について、公益財団法人生命保険文化センターの調査によると夫婦2人で平均22.0万円という結果が出ています。旅行や趣味などゆとりある生活を楽しむなら上乗せ額は平均12.8万円となり、合わせれば月34.8万円ものお金が必要になるとされています。

使えば目減りしてしまう貯蓄や年金だけでは、豊かな老後を送れるのかわかりません。そこで注目されているのが、安定的な収入が見込まれるマンション投資です。毎月、定額の家賃収入が得られるため、新たな貯蓄をつくることも可能なのです。

現代の60代はとてもアクティブなので、年金をもらうようになっても「働き続けて収入を得たい」と願う人もいるかもしれません。そうはいっても、自分や家族が急な病気になれば仕事を休んだり、辞めざるを得ないことも想定されます。また、定年前に比べると体力が落ちて長時間働くのが辛くなる可能性もあります。

マンション投資ならば、たとえ病気になって働けなくなっても毎月の収入が見込まれます。最近では長生きすることで、蓄えていた貯蓄が底をついてしまう長生きリスクも懸念されています。そうした意味でも、マンション投資はゆとりある老後を過ごすために有効な手段のひとつだといえるのです。

詳しくはこちら|年金対策としてのマンション投資|本当に老後の助けになるの?

マンション投資のリスクと対策

銀行預金は元本が保証されているため、資産が減少するということはありません。しかし、マンション投資には元本保証がなく、さまざまなリスクを伴うので注意が必要です。

とはいえ、どんなリスクがあるのかを把握して事前に対策を練っていれば、ある程度はリスクヘッジを図ることができます。マンション投資のリスクは以下の8つです。

  • 借入リスク
  • 空室リスク
  • 家賃滞納リスク
  • 家賃下落リスク
  • 地震リスク
  • 火災リスク
  • 資産価値下落リスク
  • 中古マンションのリスク

それぞれのリスクと対策について、詳しく見ていきましょう。

借入リスクと対策

借入を行ったにもかかわらず、家賃収入が安定しない場合は、給料や預貯金から返済を行っていくことになります。また、金利を抑えるために変動金利を選んだ場合、金利が上昇して月々の返済額が増えるということも考えられるので注意が必要です。

上記のリスクを抑えるには、需要がある物件なのかをしっかりと判断することが重要です。また、返済総額は大きくなりますが、返済計画を長くすれば月々の返済負担を軽減できます。

頭金0円の融資もありますが、自己資金を拠出して借入総額を抑えることも借入リスクを抑えるポイントです。また、金利の変動時は、借り換えを視野に入れるなどの対策を練っておけば、借入リスクを軽減できるでしょう。

空室リスクと対策

マンション投資で最も注意が必要なリスクは空室リスクです。空室が生じると家賃収入が得られなくなるため、返済計画にも支障が生じてしまいます。

空室が生じる主な原因は、入居者のニーズが物件に備わっていないことです。入居者からの需要が高く、資産価値の下がりにくい物件は、以下の「3チカ」の条件を備えています。

  • 駅から徒歩10分圏内(駅からチカい)
  • ターミナル駅まで30分前後(都心からチカい)
  • 高い地価(チカ) (需要があるから地価が高い)

これらの「3チカ」の条件は、都市政策上の長期人口流入エリアに該当する条件であるため、空室リスクや後述する資産価値下落を軽減できるでしょう。

家賃滞納リスクと対策

 

入居者がいても、入居者が家賃を滞納していると、家賃収入は得られません。「追い出せばいいのに……」と思った方もいるかもしれませんが、日本では借主の借りる権利を尊重するため、簡単に退去を求めることはできないのです。

家賃滞納リスクを軽減するには、家賃保証会社と契約することが最も効果的です。また、家賃保証を利用する際には保証料が必要ですが、借主負担にするのが一般的でしょう。借主が家賃を滞納した場合は家賃保証会社から家賃が支払われるため、家賃滞納リスクが軽減できます。

家賃下落リスクと対策

築年数が経過すると、設備が古くなったり部屋や建物の老朽化が進んだりするため、それに合わせて家賃も下落します。家賃下落リスクは、マンション投資では必ず伴うリスクですが、対策を練ることで下落のスピードを緩和できます。

対策としては、例えば、「設備を新しくする」「部屋や建物の老朽化の修繕を適宜行う」などです。設備の入れ替えや部屋の修繕については適宜行うことができますが、建物の老朽化に対する修繕についてはマンション全体の話であるため、1人の判断で進めることはできません。そのため、長期修繕計画に基づき建物の修繕をしっかり行っているマンションを選ぶことが重要です。

また、需要が低下すれば家賃も下げざるを得ないため、空室リスクのポイントであった「3チカ」にこだわった物件選びも重要といえるでしょう。

地震リスクと対策

 

マンション投資は「マンション」があって初めて成立します。そのため、地震で建物が倒壊した場合には、家賃収入が得られなくなるので注意が必要です。

地震リスクを抑えるには、耐震性の高いマンションを選んでおくことが重要です。

1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた物件は、新耐震基準が適用されています。しかし、それ以前に建築確認を受けた物件は旧耐震基準が適用されているため、耐震性が低く地震リスクが高い可能性があります。

新耐震基準が適用されているマンションかどうか、また旧耐震基準が適用されている物件でも耐震補強によって耐震性が高くなっているマンションか確認することが、地震リスクを抑えられるかどうかの判断基準になるでしょう。

火災リスクと対策

火災が発生して保有するマンションが全焼・損壊するということは、地震リスク同様に家賃収入を生み出すマンションが失われてしまうということです。全焼・半焼とまではいかなくても、燃えてしまった室内を元通り暮らせる状態にするためには改修費用が発生します。

地震と火災リスクは保険で対応しよう

このように、火災や地震・水災などといった自然災害によってマンションに影響が生じてしまえば、マンション投資に打撃を与えます。これら地震や火災のリスクは、保険に加入することでリスクを軽減できます。

・火災保険
「住まいの総合保険」と呼ばれる保険で、加入していれば火災だけでなく落雷や水災・風災、漏水などで受けた損害もカバーしてくれます。ただし、多くの火災保険は地震による損害(火災も含む)の補償は含まれていません。

・地震保険
地震によってマンションが損壊した場合、保険金を受け取ることができます。加入する際には補償される範囲や保険料をよく確認した上で契約してください。

両方に備えるためには火災保険だけでなく、地震保険にも加入するなど考えうる災害リスクをできるだけ軽減するように対策することが重要です。

詳しくはこちら|疑問解消!Q&Aリスク対策【不動産投資Q&A】災害リスクには、どう対処したらいいのでしょうか?

資産価値下落リスクと対策

再開発などで、その土地の価格が急騰した場合などにはマンションの価値が上昇しますが、基本的には築年数の経過とともに資産価値は下落します。そのため、マンション投資は資産価値下落リスクが必ず伴うと言えます。

しかし、家賃下落リスク同様、対策を練ることで下落スピードを緩和することが可能です。たとえば、需要が高ければ資産価値も高い水準で保てるため、空室リスクを避けるポイントである「3チカ」にこだわった物件選びが効果的です。

また、オートロックかどうか、浴室暖房乾燥機が付いているかどうかなどのように、設備が充実している物件も資産価値下落リスクの軽減が期待できるでしょう。

中古マンションのリスクと対策

新築よりも中古マンションは購入価格が安いので初期投資を抑えられそうですが、実際は修繕費用などで初期投資が多くかかる場合もあります。

例えば、部屋の痛みが激しい場合や設備が古い場合は、それらの修繕や設備の交換に多額の費用を要するケースがあるのです。また、旧耐震基準が適用されている物件は、耐震性も低い可能性があるので注意が必要です。

中古マンションのリスクを抑えるには、購入前に実際に足を運んでマンションの下調べを行うことが重要です。立地条件や費用面などを総合的に考えてから中古マンションを購入すれば、中古マンションのリスクを抑えられるでしょう。

マンション投資で多い失敗例

 

マンション投資の主なリスクと対策についてはわかったものの、実際にはどんな失敗例が多いのでしょうか?

マンション投資で多い失敗例は以下の3つです。

  • 空室が続き、家賃収入が入ってこない
  • 購入後に物件周辺の環境が変化した
  • 修繕費用が想像以上にかかってしまう

よくある失敗例と対策について、詳しく見ていきましょう。

空室が続き、家賃収入が入ってこない

安定した家賃収入を期待してマンション投資をはじめたものの、空室が続いた場合には家賃収入は得られません。

そのような場合は、空室リスクのポイントであった「3チカ」にこだわった物件選びを行うことで失敗を未然に防げます。それ以外にもサブリース契約を行うという対策もあります。サブリース契約とは、不動産会社などが物件のオーナーから物件を借りて転貸するというものです。

実際は空室であっても、サブリース契約を行った業者が家賃を支払ってくれるため、空室によって家賃収入が入ってこないという失敗を防げるでしょう。

購入後に物件周辺の環境が変化した

マンション投資の成否を決める要素として物件の立地が挙げられますが、1つの大学や企業に依存している物件は注意が必要です。大学や企業が存続しているうちは高い需要が期待できますが、少子化などで大学が閉校したり工場が閉鎖されたりした場合は、需要を失うことになります。

実際、工場に近い物件を購入し、当初はその企業の従業員が入居して利益が出ていたものの、企業が経営破綻に陥り工場が閉鎖され、入居者が出ていって空室が目立つようになったというケースもあるのです。

これらの失敗を防ぐためには、1つの大学や企業に依存しない物件を選ぶことが重要です。例えば、空室リスクのポイントであった「3チカ」の条件を満たしている、複数の大学や企業の工場がある、近くに商業施設があることなどです。

1つの需要に依存せず、幅広い需要が期待できる条件が整っている物件を購入すれば、急に家賃収入を失ってしまうという失敗を防げるでしょう。

修繕費用が想像以上にかかってしまう

マンション投資で気を付ける必要があるのが修繕費用です。部屋が傷んでいたり、設備が古かったりする場合はそれらを修繕したり交換したりしなければ入居者が期待できないため、修繕費用がかかります。

また、築年数が経過しているマンションの場合は、旧耐震基準に該当しているマンションが多いため、耐震改修による修繕費用が発生する場合もあります。

中古マンションのリスクのポイントでもあった、実際に足を運んでマンションの下調べを行う、立地条件や費用面などを総合的に考えてから購入を判断するという点にこだわれば、修繕費用が想像以上にかかるという失敗を防げるでしょう。

複数あるマンション投資のリスクをいかに抑えるかが、安定した家賃収入につながるカギ

マンション投資は、自己資金が少なくても金融機関から融資を受けながらはじめられるほか、安定した家賃収入が期待できるなど、メリットの多い資産運用です。しかし、その一方で、「借入リスク」「空室リスク」「家賃滞納リスク」「家賃下落リスク」などのさまざまなリスクを伴うので注意が必要です。

しかし、マンション投資のリスクによる失敗は、全く防げないというものではありません。どのようなリスクがあって、どのような失敗が生じる可能性があるのかを把握しておき、事前に対策を練っていれば、リスクを抑えながら安定した家賃収入を得られるでしょう。