マンション経営の成功のカギは、安定した入居率に他なりません。なぜなら、空室期間をできるだけ短くすることが経営の長期安定化につながるからです。

そのために必要になるのが、前入居者が退去した後のリフォーム。高い入居率を維持するためには、適切なリフォームがとても効果的です。しかしこのリフォームの費用、一体、どのくらいかけるべきなのでしょうか?

リフォーム費用に相場はなく、費用対効果でオーナー自身が判断

マンション経営は不労所得といわれ、部屋を貸すだけで収入が得られるものです。しかし、何も努力しなくてもいいというわけではありません。

賃貸物件が多くなった現在では、適切なリフォームをしなければ新規の入居者はなかなか決まらなくなってきています。また、建物には経年劣化がつきもので、新築をはじめ、競合物件はどんどん増えていきます。

そして、リフォームを適切に行い、入居希望者に「きれい。便利」「ここに住みたい」と思ってもらうことは、マンションの経営を大きく左右するようになりました。

部屋のリフォームを考える際に重要なのが、費用対効果です。退去後のリフォームに関しては、オーナーによって考え方も違うため、相場というものはありません。ただ、費用をかけすぎても回収に時間がかかりますし、費用をかけないために入居者が決まらないといった状況も避けたいものです。

そこで、リフォームの費用が適切か判断する際のポイントをご紹介します。

ポイントは、「リフォーム費用が家賃の何倍になるか」です。例えば家賃の10倍の費用をかけてリフォームをすると、その費用を回収するのに10カ月かかると考えます。

それだけの費用をかけてもグレードを上げることによって長期間の安定収入をねらうのか、空室期間が長引いてもリフォーム費用をそれほどかけない、と判断するのか——。この判断はオーナーの経営方針や姿勢などで異なりますが、リフォームが必要な際には、こうした判断基準を設けてみてください。

家賃を下げずに適切なリフォームをして、物件の価値を下げないようにする

先ほどの基準とは逆に、「家賃の3カ月分ならリフォームにかけてもいい」など、あらかじめリフォームにかける費用を決めておくのもいいでしょう。業者への依頼が迅速にできることで、新規入居者の募集をすぐに開始できるなどのメリットもあります。

ちなみにクロスの張り替え程度でしたら、部屋の大きさにもよりますが相場は3~5万円程度、キッチンや浴室の更新は10~80万円程度といわれています。前入居者がきれいに部屋の中を使っていたのであれば、クロスを張り替える程度で問題ありませんが、床の修復が必要だったり、設備機器の更新が必要だったりするケースもあります。古くなったキッチンや浴室はどうしても競合物件から見劣りするため、入れ替えが必要な時期がいずれやってくることも頭に入れておきましょう。

また、リフォームを適切に実施することは高い入居率を維持するための他、もう一つのメリットも持っています。それは、物件価値の下落防止です。

古い内装や設備のままで家賃を下げて新規入居者を呼び込もうとするより、リフォームをしっかり行い、家賃は下げずに新規入居者を呼び込む方が、物件の価値自体も下がりません。そうした、高い入居率が維持されリフォームも適切に行われている物件は、売却する際にも有利に働く可能性が高くなります。

リフォームは、必要不可欠なもの

リフォームは高い入居率を維持するためだけではなく、家賃を下げないためにも必要不可欠なものです。少々出費はかさみますが、高い入居率が続いていれば物件価値も下がりにくくなることも覚えておきましょう。

これらを考慮しながら、リフォームをどのように行うかの経営判断をしてみてください。