マンション経営でよく議論されるテーマの一つに、マンションの資産性があります。

鉄筋鉄骨コンクリート造マンションの法定耐用年数は、47年。しかし、あくまでも税務上で定められた減価償却用の数字にすぎず、47年で寿命がつきるわけではありません。

重要なコンクリートの厚み

鉄筋コンクリート造が長持ちするのは、アルカリ性のコンクリートを鉄筋が覆うことで、酸化(錆びつくこと)を防いでいるからです。ただし永久的なものではなく、徐々に中性化し、その速度は30年で1cmといわれています。

建築基準法では、コンクリートの中性化は、柱などを覆うコンクリートの厚さが3㎝以上になったときと定められているので、額面通りに受け取れば、鉄筋コンクリート造は90年もつ計算です。

寿命を全うできない建物たち

日本の建物の寿命推計に関する研究によれば、木造あるいは鉄筋コンクリート造に関わらず、どのような建物でも50~60年が平均寿命という結果が出ています。先ほど説明した法定耐用年数47年とギャップがありますが、なぜでしょうか?

その理由は、「土地神話」や「古い建物に価値を感じない」という日本人的な思考や時代が影響しているからだと考えられます。実際には、まだまだ使える建物が時代の流行・廃りやメンテナンスを怠ったために起きた設備の大きな故障などで取り壊されてしまい、本来よりも短命であることも多いようです。

認識と事実と本質は違う

国が定めた47年の法定耐用年数という世間の認識があり、どのような建物でも現在50~60年の平均寿命を迎えているという事実があります。

しかし、建物は施工時からの躯体(建物の基礎となる柱や屋根、土台など)の性能強化や定期的なメンテナンスで質を保ち、重大な故障を防げば、長寿命化することができます。また、これ以外に、中性化して脆くなっていくコンクリートを再アルカリ化して強化する技術なども、存在しています。

目の前の定義や事実を鵜呑みにせず、本質的な資質を生かす

長期的な資産性を保つことができる高性能な躯体によって設計されていること、日々の点検の遂行、無理のない修繕計画を立案していること、この3つがマンション自体の将来性とマンション経営の方向性を決めるといっても、過言ではありません。

定義されていることや事実を鵜呑みするのではなく、本質的な資質を生かすためのポイントを抑えることが、マンション経営による利益の最大化につながります。