不動産購入後は管理費や修繕積立金、固定資産税などといった、家賃収入の15%~20%程度の支出が発生します。なお、借り入れをした場合は、金融機関への返済も生じます。

専門業者に委託することで「管理費」が発生する

不動産投資は、「大家さんになる」ということですが、大家さんの仕事には、入居者募集、契約締結、家賃の収受、トラブル・クレーム対応など、知識や経験がないとなかなか難しいものもあります。

従って、これらについては、専門の「管理会社」に依頼して行うのが一般的です。依頼した場合、管理費が発生します。「どれだけの仕事を依頼するか」にもよりますが、家賃収入の5%程度になることが多いです。

修繕・メンテナンスの費用

マンションは共用部分と専有部分に分かれます。共用部分はマンションの所有者(区分所有者)全員による管理組合で管理します。

メンテナンスや修繕も管理組合が行うことになりますが、実際の作業は管理会社に委託して実施します。このための毎月の費用が「管理費」となります。また、将来の修繕のために管理組合で定期的にお金を積み立てます。これを「修繕積立金」といいます。どちらの金額も、管理組合で決定します。

専有部分は所有者(大家さん)が管理します。具体的には、付帯設備の補修費や入居者入れ替え時のリフォーム費用などが該当します。このお金も、普段から積み立てておくと安心です。

他に、賃貸人の募集や家賃の管理などの賃貸管理を委託する場合は、別途費用が発生します。

固定資産税と都市計画税がかかる

不動産を保有していると固定資産税が発生し、都市部であれば「都市計画税」もかかります。税率は、固定資産税・都市計画税合わせて通常1.7%です。

ただし、課税標準(税率をかける金額)は購入価額よりかなり低いです。また、土地については「小規模住宅用地」として課税標準が6分の1(200㎡まで)になったり、建物についても新築の場合は減免措置があったりします。

固定資産税・都市計画税を合わせた税額は、購入金額の 0.5%前後と考えておくといいでしょう。利回り5%の物件であれば、家賃収入の10%程度に相当します。

金融機関へのローン返済

ローンを組んで購入した場合、金融機関に元本を返済し、利息を支払わなければなりません。1000万円を金利2.5%・20年返済(元利均等返済)で借りた場合、毎年の返済額は元利合わせて約64万円になります。

具体的シミュレーション

現実的な数字で、年間収支をシミュレーションしてみましょう。

自己資金600万円、借入金1400万円(金利3%。20年返済)で、2000万円投資したとします。家賃収入が年間120万円と仮定します。利回りは6.0%です。固定資産税・都市計画税の課税標準は、土地 60万円、建物600万円とします。購入価格と比べてかなり安く感じられるかもしれませんが、小規模住宅用地の特例などがあるので、それほど高くはなりません。

この場合、年間の税額は、「(60万円+600万円)×1.7%=11万円」です。

そして、元利返済は年間約90万円になります。管理費・修繕費は6万円ずつと仮定します。雑費として、エントランスや外灯など「共用部分」の電気代などもあるので、トータルの支出は118万円くらいでしょう。

この条件での年間の資金収支は、「賃料収入120万円-支出118万円=2万円」となります。

返済が終わったら、収益性大幅アップ

年間収支が2万円のプラスしかないというのは、低く感じられるかもしれません。しかし、支出の大半は借入返済です。借入返済は永久に続くわけではありません。先ほどのシミュレーションの場合、 20年で終了する計算です。

20年経過したら、元利返済の負担はなくなります。金融機関に払っていた90万円はそのまま自身の収入になります。目先の収支だけではなく、長期的な視野に立って投資計画を立てることが大切です。

2000万円の物件を買った場合のシミュレーション

返済負担がある期間

収入支出
家賃収入120万円
管理費6万円
修繕積立金6万円
固定資産税・都市計画税11万円
借入金返済90万円
雑費5万円
支出合計118万円
収支
2万円

返済が終わった後の期間

収入支出
120万円
管理費6万円
修繕積立金6万円
固定資産税・都市計画税11万円
借入金返済0万円
雑費5万円
支出合計28万円
収支
92万円