不動産の契約をするとき、十分に確認しなければならない書類が、今回取り上げる「重要事項説明書」と「契約書」です。この2つの書類に記載されている内容は、決して「難しそうだから、“ざっと見”でいいか」で済まされるものではありません。

契約前に受け取る「重要事項説明書」をしっかり理解する

契約前、対象となる物件についての重要事項を記載した「重要事項説明書」の説明を受けることになります。説明は、宅地建物取引主任者の資格のある人が買主に対して書面を提示しながら進行していきますが、ただ説明を聞いているのではなく、「①欠陥があった場合の対応策」「②代金の支払い時期」「③物件の引き渡し時期」「④家賃や敷金の扱い」「⑤抵当権の抹消」などを確認するようにしてください。

重要事項説明書には、電気・ガスなどのインフラ整備状況や、物件の「権利関係」(抵当権など)、その他、その物件が持つ特性などが記載されています。これらはとても重要な内容なので、不明点の放置はせず、十分に理解してから契約に進みましょう。

とはいえ、内容が専門的で、プロでなければ理解しづらい形で書かれているのも、事実です。「将来、追加で費用負担が発生することはないか」「将来、価格が下がるようなことはないか」という視点で、納得がいくまで説明を受けてください。

重要事項説明書の主なチェックポイント

権利関係抵当権がついていないか
法令上の制限・建て替えや増改築の際の制限がないか
・周辺の土地の用途地域は何か(どんな建物が建つ可能性があるのか)
建物について・建物の住所や部屋番号
・専有面積
共用部分について・管理費や修繕積立金はいくらか
・修繕積立金を売主が滞納していないか
・大規模な修繕の計画はあるのか
・管理費や修繕積立金以外に、負担する費用はあるのか

注)物件や契約の条件などによって異なります。

 

 

「契約書」を取り交わすときに必ず確認すべき5つのポイント

重要事項説明書の説明が終わり、その内容に納得したら、いよいよ契約書を結びます。

契約書には、代金に関わる事項や契約違反があった場合などの取り決めが記載されています。契約書には拘束力があり、いったん売買契約を結んだ後は、何かトラブルが発生した場合でも契約書の内容に沿って事が進められることになりますので、注意してください。不安要素がある場合は、契約締結前にじっくり粘り強く、交渉しましょう。

契約書を取り交わす際のポイントは、次の5つです。

①瑕疵担保責任

瑕疵(かし)とは、欠陥のことをいいます。物件に万一、雨漏りなどの欠陥があった場合、その補修費用をどうするのか(売主が負担するのか、買主が負担するのか)、場合によっては契約解除も可能なのかどうかを記載しましょう。その際、自分(買主)にとって著しく不利な内容になっていないかどうか、確認してください。

②代金の支払時期・方法

物件の購入代金は、申し込みや契約の時点で「手付金」を払っていることが普通なので、購入価格から手付金を差し引いた残代金を後日支払うことになります。残代金支払いは、物件引渡しと同時に支払うのが一般的。引き渡し前に払うような契約になっていたら、要注意です。

③引き渡し時期

引き渡しがいつになるのかも、重要です(何らかの理由で売主が使っている場合も)。いつ引き渡すのか、確定した期日を明確にしておきましょう。

④家賃や敷金の扱い

すでに入居者がいる場合、「何月分の家賃から、自分の収入になるのか」を確認してください。例えば、10月1日に引き渡しを受けた場合、10月分の家賃から受け取れるはずですが、入居者が9月中に前の所有者(売主)に家賃を払ってしまっているケースも考えられます。そのような場合、売主から家賃を受け取ったり、入居者が預けた敷金も売主から引き継いだりする必要があります(契約書で明記しておきましょう)。

⑤抵当権などの抹消

売主が金融機関から借入をしていた場合、物件が担保に入っていて、抵当権が付いていることがあるため、所有権移転時までに、これらの権利が抹消されることを必ず契約書に記載しましょう。

注)物件や契約の条件などによって異なります。