不動産投資をはじめようとしている方の中には、ワンルームマンション投資を検討している方もいるでしょう。不動産投資の初心者にワンルームマンション投資が向いているのは事実ですが、失敗するリスクもあります。

今回の記事では、不動産投資の初心者に向けて、ワンルームマンション投資で成功するためのポイントを解説していきます。まずは、ワンルームマンション投資のハードルが低いといわれている理由から見ていきましょう。

なぜ、「ワンルームマンション投資はハードルが低い」といわれるのか?

ワンルームマンション投資が不動産投資の中でもハードルが低いといわれている理由は、次の6つに大別できます。

  1. 初期費用が安い
  2. 家賃が安い
  3. 居住者が単身者
  4. ランニングコストが安い
  5. 間取りの良し悪しが少ない
  6. 室内設備にこだわらない入居者が多い

ほかのマンションと比べて、費用が安い

ワンルームマンションは単純に室内面積が小さいので、ほかのマンションよりも物件価格が安くなります。また、購入するマンションの面積が小さければ不動産取得税や固定資産税などの初期費用も安くなり、投資する側に「融資を受けやすい」「リスクが小さい」「利回りが高くなりやすい」という3つの利点をもたらしてくれます。

物件価格が安いとローンの借入額が小さくなるので、融資を受けやすくなります。「融資を受けやすい=不動産投資をはじめやすい」ということです。そして、実質利回り※が高くなりやすいので、上手く運用すれば初期費用を早く回収できる可能性が高まります。
※実質利回り とは、{(年間家賃収入-年間経費)÷初期費用(物件価格など)}×100で算出される数値のこと。初期費用を何年で回収できるのかという指標になる。

また、借入額が小さければローン支払額も小さくなるため、仮に空室が続いて赤字経営になったとしても、赤字金額がそもそも小さいのでローン破産などのリスクが小さくなるでしょう。

たとえば、金利2.5%・借入期間25年・元利均等返済で借り入れた場合、借入金額により返済額の違いは以下のような違いがあります。

・3000万円:月々返済額 134585円
・1億円:月々返済額 448616円

家賃が安く、不況に強い

ワンルームマンションは、ファミリー用のマンションや一戸建てと比べて室内面積が小さいので家賃が安いです。家賃が安いということは、「不況時でも家賃の下落幅が小さい」というメリットになるでしょう。不況にも比較的強い不動産投資がワンルームマンション投資、と言い換えることもできます。

単身者向けなので、競合物件が少ない

単身者向けのワンルームマンションは、夫婦や子育て世代が探しているファミリー向けのマンションと比べると、競合物件が少ないです。なぜなら、夫婦や子育て世代は「購入」を含めて検討しており、「一戸建ての賃貸」「マンションの賃貸」「一戸建ての購入」「マンションの購入」「親と同居するための二世帯住宅の購入」など、物件の選択肢が多いからです。

単身者がマンションを購入する可能性は夫婦や子育て世代よりは少ないですし、戸建てに関して言えば、賃貸も購入も選択肢としては、ほぼないでしょう。つまり、ワンルームマンションを運営すると、競合物件が賃貸マンションしかないので、需給バランス的に入居者が付きやすいと考えられています。

単身者向けワンルームマンションの需要が高い東京

日本で最も人口が集中している東京。今や国内だけでなく、外国からも人が集中している国際都市です。そんな東京の総世帯数は678万世帯ですが、なんと292万世帯が単身者世帯なのです。
その理由として東京に有名大学や世界的企業の本社が集まっており、単身の学生や社会人が多く暮らしているのです。さらに昨今、晩婚化や未婚者の増加、長寿化も単身世帯数を押し上げています。
さらに単身者の東京流入は2035年には50.2%になるといわれています。そのため、将来的にも単身者向けワンルームマンションの需要は高いといえそうです。

しかし、東京都23区では単身者に需要が高いワンルーム、1Kのアパートやマンションの新たな建設を規制しています。その理由として「単身者は住民票を移動しないため、区に税金が落ちない」「単身者は地域行事に参加せず地域活性化につながりにくい」などがあげられます。
単身者世帯のニーズが高まる中、現在23区内には単身者物件は約90万戸と好立地も枯渇しています。今後も減少傾向は続くため投資には単身者向けワンルームマンションは最適だといえるでしょう。

詳しくはこちら|“ファミリー”より“ワンルーム”が選ばれる理由とは?

ランニングコストが安い

ワンルームマンションは、以下のようなランニングコストが安く抑えられます。

  • 管理費
  • 修繕積立金
  • 固定資産税と都市計画税
  • 補修費用
  • 管理会社への管理委託料

マンションの管理費・修繕積立金は室内面積の広さに比例するので、ワンルームマンションは比較的安価になります。固定資産税と都市計画税は物件の評価額に比例し、その物件の評価額は室内面積の広さに比例します。そのため、管理費・修繕積立金と同じく、室内面積が狭いワンルームマンションは税金が安くなりやすいのです。

また、補修費用は部屋が小さいほど補修範囲が狭くなるので、ワンルームマンションでは安価になります。さらに、管理会社への委託料は「家賃の○○%」が基準なので、家賃が安くなるワンルームマンションは、管理会社に支払う委託料も安価というわけです。

間取りの良し悪しの幅が狭い

ワンルームマンションは1部屋しかないので、間取りの良し悪しを判断する項目が少ないです。確かに、部屋の形や水回りの位置など、細かい所を挙げるとワンルームマンションでも間取りの良し悪しは違ってきます。しかし、例えば3LDKの部屋であれば、次のように間取りの良し悪しについてたくさんの項目が挙げられるのです。

  • リビング、ダイニングや洋室の形状は?
  • 洋室の位置は?
  • 水回りの大きさは?
  • 各居室に収納はある?

このほかにもさまざまな要素がありますが、間取りの良し悪しに関する項目が多いということは物件選びの難しさにつながるとも考えられます。

室内設備に強いこだわりがない方が多い

「間取りの良し悪しが少ない」という点にも関連しますが、ワンルームマンションに住む方は室内設備にそれほどこだわらない方が多いようです。というのも、ワンルームマンションに住む方は単身者がほとんどですが、単身者の中でも1Kや1LDKに住む方もいます。

家賃の安さなど予算的な要素はありますが、1Kや1LDKではなくワンルームを選ぶということは室内設備の重要度が低いというケースが多いでしょう。たとえば、「玄関が大理石造りだから家賃が1万円高い」「キッチンに食洗器が付いているから家賃が1万円高い」といった物件をわざわざ選ぶ人は少ないです。

なぜなら、ワンルームマンションに住むということは、賃貸であり永住志向ではないからです。極端な例ですが「会社(学校)から帰って寝ることができたら、それでよい」と思っている方 もいます。購入して住むマンションなら永住志向…少なくとも長期間住む前提で選ぶので、室内設備にこだわる人は多いでしょう。

また、単身者で子どもなどがいない点も、室内設備にこだわらなくていい理由でしょう。室内設備にこだわりが少ないということは、水回り設備の入れ替え工事費や、補修・クリーニング費用が比較的抑えられるということです。

ワンルームマンションのメリット・デメリット

ワンルームマンションの投資にあたっては、それぞれのメリットとデメリットを理解して選択するようにしたいものです。特徴やメリット・デメリットを理解した上で、長期的な視点を持って、ご自身に合った不動産投資を選択しましょう。

1.ワンルーム投資のメリット
一室から購入でき少ない資金でスタートできます。鉄筋コンクリ―ト構造のマンションは、担保価値が高く全額融資を受けやすい利点があります。また、維持管理・修繕を適切に行えば100年以上もつ建物もあります。好立地と呼ばれる駅近、ターミナル駅の物件でも比較的手に入りやすいのも特徴です。

2.ワンルーム投資のデメリット
利回りが低いので短期ではキャッシュフローが悪いことを理解しておいてください。一棟まるごとを所有しているわけではないため、建物の修繕や建替えは管理組合の総会で決定されます。自分の思うような改修をすることができないのもデメリットといえます。

詳しくはこちら|人気のある不動産投資3種類を比較|あなたにおすすめの物件は?

ワンルームマンション投資の失敗事例から学ぶ3つのコツ

前章では、ワンルームマンション投資はハードルが低いといわれる理由を解説しました。 ここでは、デメリットを含む3つの失敗事例を解説します。

  1. 入居期間が短く、収益が低くなった失敗事例
  2. 将来的な支出を計算していなかった失敗事例
  3. 家賃とランニングコストの割合を考えていなかった失敗事例

併せて、失敗事例から学ぶ成功のコツも解説していきます。

入居期間が短く、収益が低くなった失敗事例

ワンルームマンションは単身者向けなので、就職や結婚を機に出ていく方が多いのです。そのため、家族連れをターゲットにしている部屋よりは入居期間が短くなります。

ワンルームマンション投資をしていて、予想よりも入居期間が短いことによって収益が低くなる失敗事例は少なくありません。

対策としては、エリア選びの判断材料として、以下の要素を取り入れることです。

  • 人口動態
  • 最寄り駅の乗降客数
  • 主要施設の人気

要は、そのエリア自体に人気があれば賃借人は集まりやすいので、仮に入居期間が短くても、空室期間を減らすことで収益は改善します。また、大学が近くにあったり、駅から近かったり、人気施設が近くにあれば、退去率自体も下がるでしょう。

将来的な支出を計算していなかった失敗事例

不動産投資は長期スパンの投資なので、収支シミュレーションも長期で考えなければいけません。しかし、ワンルームマンション投資は一棟投資ではないですし、室内面積も狭いので以下のような支出を甘く読んでいるケースがあります。

  • 退去時の修繕費用
  • リフォーム費用
  • 設備入れ替え費用

退去時には、経年劣化分はオーナーが負担するので、場合によっては家賃1カ月分を超える修繕費用が必要です。また、長期間保有しているとリフォーム費用や設備入れ替え費用が発生する可能性があり、そうなると10万円単位で支出が計上されることもあります。

ワンルームマンションは家賃収入が小さい分、突発的な支出が高額になると収支が悪化しやすいです。そのため、15~20年以上のスパンで上記のような支出を加味したシミュレーションを作成し、将来的にも利益を出し続けられる物件を選ぶ必要があります。

家賃とランニングコストの割合を考えていなかった失敗事例

上述したように、ワンルームマンションのランニングコストが安価であることはメリットです。しかし、ランニングコストが安いといっても、大事なのは家賃との割合になります。

例えば、次の2パターンを見てみましょう。

①家賃7万8000円(管理費・修繕積立金:1万円)
②家賃5万7000円(管理費・修繕積立金:9000円)

一見すると、②の方がランニングコストは安価に見えますが、金額だけ見ると後々失敗します。大事なのは家賃との割合であり、家賃に対してランニングコストの割合は①が12.8%、②が15.8%です。

ランニングコストが家賃に対して割高な場合、そもそも収益性が悪いということを意味しますし、ランニングコストが増額するとさらに収益性は悪化します。つまり、ランニングコストは金額だけでなく、家賃に対しての割合で判断するべきということです。なお、特に修繕積立金は増額リスクが大きいので、事前に長期修繕計画などをチェックし、増額リスクを確認することが大切になります。

マンションによっては、長期修繕計画で「修繕積立金は○年で△%上昇する」と取り決められているマンションもあるので、その点を重点的にチェックしてみましょう。

ワンルームマンション投資に工夫を加えてみよう(応用編)

最後に紹介するのは、ワンルームマンション投資でレバレッジ効果と複利を利用する方法です。これも、ワンルームマンション投資を成功させるコツになりますが、応用編になりますので、一つの参考としてご一読ください。

不動産投資におけるレバレッジ効果と複利とは?

レバレッジ効果とは「てこの原理」という意味です。不動産投資においては少ない資金で大きな資産を手に入れること、つまり、ローンを組んで自己資金以上の物件を取得することです。

一方、不動産投資における複利とは「不動産投資で得た収益で再投資する」という意味です。

収益を使って、再投資する

次にレバレッジ効果と複利で不動産投資するということを、以下の事例から見ていきましょう。

事例①:1000万円の現金でワンルームマンションを購入

例えば、手元に1000万円あるとします。仮に、この現金で1000万円のワンルームマンションを購入して利回り6%で回せば、年60万円の収益になります。そのため、単純計算すると16.7年で1000万円貯まりますので、16.7年運用すれば再度1000万円のワンルームマンションを取得できるのです。このケースはレバレッジ効果も複利も利用していないケースです。

事例②:1000万円を頭金にワンルームマンションをローンで2区画、購入

1000万円の元手を自己資金500万円ずつに分けて、それぞれ1500万円のワンルームマンションを2区画所有するとします。その際、それぞれ利回り6%で回すことができれば、年間90万円×2区画で年間180万円の収益となります。

このように、ローンを組むことでレバレッジ効果を利用できます。そうすれば、借り入れは発生するものの、収益額が大きくなるのです。同じ1000万円でもキャッシュフロー(手元に残るお金)は良くなりますが、これはあくまで運用に成功しているという前提です。

事例③:1000万円を元手にワンルームマンションを2区画、現金とローンで購入

最後に、1000万円でワンルームマンション(A)を購入し、別でローンを組んで1000万円のワンルームマンション(B)を購入するとします。利回り6%であればAは年間収益60万円であり、Bはローン返済が4.75万円(借入25年、金利3%)です。

年間収益60万円ということは月々家賃が5万円なので、Bはローンを差し引くと月々0.25万円が手元に残ります。AとBのマンションの年間収益は63万円になるので、その63万円でBのローンをどんどん繰り上げ返済してしまえばよいのです。

そうすれば約15年でローンを完済できるので、わずか15年でローンなしのワンルームマンションが2区画手に入ることになります。もちろん、健全に運用できているという前提ではありますが、この「不動産投資で得た収益で再投資する」という複利の力を存分に使った事例といえるでしょう。

基礎と応用を使い分けながら、ワンルームマンション投資を成功させよう

このように、ワンルームマンションは初心者がはじめる不動産投資としては、ハードルは非常に低いといえるでしょう。ただし、「入居期間が短い」「将来的な支出の計算が甘い」「ランニングコストの家賃割合」によって失敗する事例もあるので、その点はこの記事を参考にしてください。

その上で、さらに情報を得るなどして十分にリスクを理解 し、この失敗事例のようにならないように「需要の高い物件の見極め」「長期間の収支シミュレーション」「家賃とランニングコストの見極め」という対策を講じなければいけません。また、最後に応用編として解説した「レバレッジ効果」と「複利」の話も意識しながら物件選びをすると、ワンルームマンション投資に成功しやくなります。