• 仕事の基礎を身につけ、職業人として本格的にスタートする年代。年収平均は350万円(国税庁『民間給与実態統計調査』調べ)。
  • 収入はさほど多くない代わりに、自由に使えるお金の割合が比較的高い。ある程度リスクがあっても挑戦できる年代。
  • 結婚や住居の購入、結婚後の生活資金、さらに年金など老後資金の不安もふくらんでくる年代。
  • マネープランを進めるための資金が必要ではあるものの、勉強や人脈づくりにもお金がかかる。30代以降で勝負するための資金づくりを考えたい。

 

これは、『0からはじめる不動産投資』が考える、現代の20代の姿です。20代の皆さん、当てはまる項目は、ありましたか?

今回のテーマは、「20代の不動産投資」。若くして不動産投資を成功させるためノウハウや考え方を、20代で不動産投資をしている人の体験談も交えながら、ご紹介していきます。

バラつきはあるものの、お金を貯めている人は貯めている20代

20代は豊かな人生の基礎づくりの時期といわれますが、そもそも「基礎」とは具体的に何を指すのでしょうか?

カード会社は社会的信用をはかる尺度として、22歳以上の場合は年収200万円以上、25歳以上の場合は年収400万円以上といった年収の目安を定めています。「まず、この年収に達しましょう」というわけです。マネー関連の専門家は、このクレジットカードの審査基準をクリアすることを“基礎の前提”としています。

貯蓄の平均額も参考になるかもしれません。

20代は預貯金、株式、債券などの資産合計がどのくらいあるか、知っていますか? 『家計の金融行動に関する世論調査」(二人以上世帯調査)』(金融広報中央委員会「知るぽると」)によると、20代男性の平均は191万円。貯めている人は貯めているものの、バラつきがあるのが実情のようです。

デフレ脱却、インフレ促進で銀行預金にリスク発生の可能性

投資を考えようとしている20代の人で、年収や貯蓄が平均額を下回る人はいないと思われますが、たとえこの平均額をクリアしても、本人の満足度が低いのは、将来への不安が大きいからでしょう。

例えば、代表的な話題では、高齢化による厚生年金(公務員なら共済年金)の年金支給の不透明感があります。一方、デフレ脱却を目指すアベノミクスの効果で景気は回復傾向にあるものの、インフレに傾いていけば、リスクを大きく抱える人も出てくるでしょう。

インフレになって物価が上がると、同じ物を買おうとしても金額が高くなり、貨幣価値は下がっていきます。貨幣価値が下がれば、同じ100万円を銀行に預けたとしてもインフレの影響で3~5年の間に100万円を切る価値に下がるため、銀行預金に大きな損失をもたらします。

仕事の合間にできるから、20代に不動産投資が流行ってきた

こうした事態をのんべんだらりと眺めるのではなく、お金を使うことで資産形成を行い、事態を好転させようという積極的な生き方を選ぶ若者が増えてきました。とはいっても、20代のサラリーマンは忙しく、そうそう投資に時間は割けません。その意味で株式やFX、債券など、いつも価格変動を心配するような投資は合わないでしょう。

そこで、若く多忙な世代の間でもできる投資として、不動産投資が流行り出しました。物件を探すくらいであれば、仕事の合間にできることです。


独身のAさん(28)も先の見えない時代の中で、自分で年金をつくるくらいの覚悟を持ち、不動産投資をはじめました。

「自分の年齢だと、生活費や洋服代、友人と遊ぶお金と、気づいたら貯蓄をするお金も残らない繰り返しでした……」

Aさんのこれからの人生には、転職、結婚、出産・育児、住宅購入、老後の生活が待っています。「考えれば考えるほど、将来は不安だらけなのに、今の生活をいつまでも続けるわけにはいかない」。ある日、Aさんはそう、思いました。

「『使う』『貯める』だけではない、『増やす』というお金の使い方を考えることにしました。その結果、たどり着いたのが不動産投資だったんです」

不動産を手に入れれば、物価が上がっても不動産そのものがモノの価格のため、その価値も上がることになります。Aさんは、不動産投資を「お金を銀行に預けるよりもはるかに“生きたお金の使い方”」と考えたわけです。


保険会社を退職~独立した後、保険業を営む既婚のBさん(29)は、退職後、国民保険に加入していますが、不動産投資を年金代わりにしているそうです。

「サラリーマン時代と違って、いざというときの保証が少ないので不安です。もちろん、老齢年金代わりの保険商品には加入していますが、月々の家賃が入ってくる不動産投資は年金代わりにもなるので、家族に生活の保証を残すことができます。不動産投資は物件の将来性が評価されるので、自営業でも銀行融資が受けやすいんですよね」

まず、頭金を準備。頭金が不足していれば、銀行に相談しよう

不動産投資といっても、「何からはじめたらいいのか、さっぱりわからない……」という人は多いでしょう。

それなりの資金を不動産物件に投資することになるため、勉強は必須です。

手始めに、気に入った本を一冊見つけて勉強をするのも、よいかもしれません。また、信頼できる相談相手、アドバイザーのようなサポーターの存在は、とても心強いはずです。

勉強や情報収集、ネットワークづくりとともに、資金の算段もしておきましょう。


Dさん(27)は、会社関係の知り合いから投資物件に強い不動産業者を紹介されたことがきっかけで、不動産投資を一から勉強できたことを、喜んでいます。

「仕事で手間暇かけられないので、すてきなアドバイザーに恵まれて、良かったです。極端にいうと、良い物件さえ見つかってしまえば、後は放っといてもいいのが不動産投資。放っといてもお金が入ってくる仕組みなので、年に1回の確定申告さえ面倒がらずにやればいいのでは?」

新築物件を買うにしろ、中古物件を買うにしろ、不動産購入には物件価格の2割くらいの頭金、さらに1割くらいの初期費用を用意しておくと安心といわれます。残りは、銀行融資に頼るにしても頭金くらいは準備しておきたいもの。2000万円の物件であれば、400~600万円という計算になります。

頭金が少々足りないくらいであれば、銀行にも相談できるでしょう。全額ローンも、ありえない話ではありません。

ローンを組むために必要な社会的信用力

自己資金(頭金)の不足分を補うために、ローンを組んで物件を購入するときに重要になるのが物件評価と本人の社会的信用力です。融資では以下のポイント基準に審査されます。

・勤め先(資本金や従業員数など企業規模を重視。大手企業や上場企業の会社員、公務員、士業など)
・3年以上の勤続年数(柔軟に対応する銀行もあり)
・年収(最低500万円~。勤務先によっても変わる)
・お金に関する個人の信用情報

つまり、これでわかるのは”優良企業で長年働いて一定の収入を得ていること”=「信用力の高さ」であるということです。金利や融資される金額などの各条件も、融資を受ける人の社会的信用力が高ければ高いほど優遇されます。

また、借りる人が医師や弁護士など士業の場合は、銀行から好条件で融資を受けられます。しかし一方で自営業者の場合はかなり厳しいといわれています。ほかにも収入の不安定さから、スポーツ選手や芸能人もローンを組むことが難しいとされる職業です。

詳しくはこちら|不動産投資が成功に近づく、不動産投資ローンの基礎知識

不動産投資に必要な頭金以外のお金

不動産投資では物件を購入するための頭金のほかにも、用意しておくべきお金があります。不動産会社を仲介した場合には仲介手数料がかかりますし、ほかにも融資の手数料や税金などさまざまな費用があり、これらを諸費用といいます。不動産投資に必要な諸費用は次のとおりです。

・金融機関への融資手数料
・収入印紙代
・火災保険料、地震保険料
・不動産登記費用(大部分は登録免許税)
・司法書士報酬(相場は10〜15万円程度。司法書士によって異なる)
・固定資産税
・不動産取得税(固定資産税評価額×3%で計算する。購入後、半年から1年後に支払う)

※そのほか銀行への振込手数料などがあります

事前に金額を用意しておく際に知っておきたいのは、諸費用は購入する不動産価格の3%程度が目安だということ。たとえば3,000万円の不動産を購入するとしたら、諸費用は90万円になります。不動産購入の自己資金(頭金)の目安は10%程度といわれていますから、390万円程度が初期費用として用意すべき金額だとわかるでしょう。

詳しくはこちら|不動産投資の初期費用について知ろう!いくらあれば、はじめられるの?

自分にはどんな投資物件が向いているのかを考える

勉強を進めるうちに、「自分には、どんなタイプの不動産投資が向いているんだろう?」と考えるようになるでしょう。中古物件か、新築物件か。分譲マンションを買って貸すのか、一棟買いをして貸すのか。あるいは、商業ビルなのか——。


20代から投資をはじめ、今では手広く不動産を動かしているサラリーマン出身のCさんは、

「マンションもビルもやりましたが、結局利益が思った以上に出て安定しているのは、購入した土地を25年契約で葬儀ホールに貸し出している物件でした」

と話します。Cさんの場合の“葬儀ホール”は、20代の投資ビギナーではとても出会えないような投資案件といえるでしょう。不動産投資は、経験を積み重ねていけば、新たなビジネスを生むことができる投資分野なのです。

自分の体験や感覚で良し悪しがわかる物件からはじめる

不動産物件は自分自身が事情をつかんでいる街、知識のある街からはじめると、間違いが少ないでしょう。

自分が実際に住んでいた所、よく訪れる土地の事情を知っている所、親類や友人が住んでいる所。そういったエリアの物件であれば、周辺環境や価格相場がつかみやすいはず。もしわからないところがあったとしても、自分の体験や知識をもとに、簡単に答えを導き出せるでしょう。

物件のタイプは、自分が独身であれば単身者用のワンルーム、結婚したばかりで子どもがいなければ夫婦用の1LDKや2DKマンションなどが無難です。自分のライフスタイルを考慮した物件であれば、自分の体験や感覚で物件の良し悪しを評価できるメリットがあるからです。

一番のネックともいえる価格ですが、新築物件はその真新しさから建物としての魅力があるものの、価格には“新築”というプレミアム要素が乗っており、実体としての価値が見えづらく、築後数年たったときの価格に不透明感が残ります。それに比べると、中古物件の実体価値は見えやすく、価格的にも負担が小さいのが特徴といえるでしょう。

「20代の投資ビギナーは、土地柄がわかっている街の中古物件に投資をするのが無難」。この考え方は、一つの参考になるかもしれません。


日中働いているサラリーマンが注意しなければならないのは、借り入れの申し込みや決済などの手続きが銀行の都合で平日に行われること、です。副業が認められている会社は、まだまだ少ない状況。20代のサラリーマンは、自由の利く立場でもありません。上司や同僚に知られたくなかったとしても、遅刻や早退などの“見える行動”で意外と苦労をするので、ある程度の覚悟が必要でしょう。

また、不動産を購入すれば、そのとき課税された税金が経費などの申告で戻ってくる場合があります。最初は少々面倒かもしれませんが、しっかりと確定申告をすることをおすすめします。