ワンルームマンション投資は、ファミリー向け物件に比べて投資金額が小さく、自己資金が少なくても始められるというイメージがあり、投資初心者からも注目を集めています。

賃貸物件の空室率が高くなってきたといわれる今日ですが、好条件の物件を選べば、ワンルームマンション投資で成功することは可能です。

この記事では、長期にわたって安定した収入を得たい人向けである「ワンルームマンション投資を成功させるために必要な知識」をご紹介します。

そもそもワンルームマンション投資とは

ワンルームマンションは、1980年代のバブル期に大量に供給され始めた物件です。1室あたりの床面積が狭く、3点ユニットバスが使われているなど、部屋の質としては高いものではありませんでした。

当時の不動産投資は、短期間で売却することを目的として投資する、キャピタルゲイン狙いの方法が主流でした。

しかし、バブル期が終わり土地の価格が落ち着いた近年では、短期間で売却しても大きな利鞘が得られないため、安定した家賃収入(インカムゲイン)を狙って経営するオーナーの割合が増えてきました。

安定した家賃収入を得るためには、入居者の利便性・快適性を高め、空室率を下げることが必要です。そのため、床面積が広めで、バストイレ別、キッチンや防犯面の設備も充実した物件が増えました。

近年は、長期的な運用で、安定したインカムゲインを得ることを目的に、ワンルームマンション投資を行う人も多くなっています。

ワンルームマンション投資についてもっと詳しく知りたい人は

ワンルームマンション投資についてのイメージはつかめたけれど、リスクやその対策についてもっと詳しく知りたいという人は、こちらの記事を読んでみることをおすすめいたします。

詳しくはこちら|「ワンルームマンション投資のリスクとは?リスクから学ぶ成功のコツ」

ワンルームマンション投資の収支とは

ワンルームマンション投資には、費用もかかります。収入と支出について確認しましょう。

ワンルームマンション投資の収入

ワンルームマンションの運用で得られる収入は次のようなものです。

家賃

入居者から毎月受け取る家賃がオーナーの主な収入となります。

礼金

入居契約を結んだ人が、物件を貸してくれるお礼という意味合いでオーナーに支払うものです。退去時に返却する「敷金」とは違い、礼金は返却しない性質のものです。

更新料

入居契約は一定期間(多くは2年)ごとに更新しますが、更新の際にオーナーが入居者から受けとります。

※一般的なサブリ―スの場合、入居者と賃貸借契約を締結するのはあくまでもサブリ―ス業者なので、礼金や更新料を受け取ることができるのはサブリース業者です。

ワンルームマンション投資の支出

ワンルームマンションの運用にかかる主な支出は次の通りです(これ以外にも費用がかかるケースもあります)。

賃貸管理会社への手数料

マンションの管理会社に賃貸管理業務を委託した場合は、手数料がかかります。

固定資産税・都市計画税

物件を所有していることで、固定資産税や都市計画税を支払う義務が出てきます。

保険料

リスクに備えるための火災保険、地震保険、賠償責任保険などの保険料を支払わなければなりません。

修繕費用

外壁のひび割れ、塗装の剥がれの補修や照明器具などの交換にも費用がかかります。

ローン返済

不動産投資ローンを利用している場合は、ローンの返済を行わなければなりません。

ワンルームマンション投資の利益と利回り

目の前の物件に投資するかどうかを決めるとき、判断に役立つ指標の1つが「利回り」です。

利回りの計算

利回りは、不動産投資で得られる1年当たりの利益を、物件の購入価格で除した数値のことです。不動産投資で使われる利回りには、大きく分けて3種類あります。

想定利回り

満室状態が続いたと仮定して計算する利回りを「想定利回り」と呼びます。なお、経費については考慮されていません。

 不動産投資で得られると想定される全ての収入÷購入価格×100 

表面利回り(グロス利回り)

その時点での空室状況を反映した「実際に得られている利益」を基に計算する利回りです。こちらも経費については考慮されていません。

 現状その物件で得られている全ての収入÷購入価格×100 

物件を購入した直後に、どのくらいの利回りがあるかを知るために便利な値です。

実質利回り

表面利回りとは違って、必要経費も考慮した利回りです。

 (現状その物件で得ている全ての収入-必要経費)÷購入価格×100 

実際の運用で得られる利回りに、より近い値を算出できます。

収支シミュレーションのチェックポイント

利回りは現在のマンションの状況を判断するのに役立ちますが、将来の姿まではわかりません。将来の姿を予測する収支シミュレーションもじっくり検討した上で、投資判断を行いましょう。

収支シミュレーションとは?

ワンルームマンションで得られる家賃収入、ローン返済による支出、その他の必要経費などを細かく記載し、毎月の収支が分かるようにしたものが収支シミュレーションです。

自分で作成することもできますが、情報量はかなりのものであり、現在だけでなく将来の収支予想なども必要なことから、プロである不動産会社の担当者に作成してもらう方が安心でしょう。

収支シミュレーションの内容をチェックするときは、ご自身の知りたい数値を確認するだけでなく、シミュレーションの前提そのものがおかしくないかを確かめましょう。

空室率の設定は妥当か?

空室率を低めに設定すれば、収支状況は現実よりも良い数値が算出されてしまいます。

妥当な空室率が設定されているかを確かめましょう。その物件の実績や周辺の環境、マンションのタイプなど、何を根拠として空室率を設定したのか、担当者に確認しましょう。

空室リスクに備えるサブリースとは?

たとえマンションに空室が発生していても、オーナーが一定の収入を得られる「サブリース」という仕組みを検討することもできます。

サブリースは、管理会社がオーナーから全ての部屋を一括して借り上げ、入居希望者に転貸するという形を取るというものです。サブリースはさまざまな企業が提供していますが、そのサービス内容は会社ごとに違います。

例えば、サブリース契約は2年ごとに見直しが行われる会社が多く、その際にオーナーが受け取ることができる家賃収入も改定されるため、当初の収支計画と差異が出てきてしまう場合もあります。

しかし、グローバル・リンク・マネジメント社のサブリースのように、7年ごとの見直し、かつ金額の下落幅は5%以内と、35年後の家賃収入まで確定させて計算することができるようなサブリース契約もあります。

詳しくはこちら|5分で分かる「サブリース」とは?契約内容やメリット、注意点を解説

集金代行とサブリースの違い

賃貸管理会社に入居者からの家賃の集金を依頼する「集金代行」は、空室の場合には家賃を得ることができません。その分、オーナーの家賃収入は減ってしまいます。

サブリース契約なら物件全体を一括借上げしている管理会社から、空室分も含めた定額の家賃収入を得ることができます。

金利上昇は考慮されているか?

不動産投資ローンの中でも変動金利型を利用しているオーナーは、金利が上昇するリスクに注意しなければなりません。

収支シミュレーションでも、金利上昇が考慮されているか、リフォームなどで追加融資を受ける場合の金利設定は妥当か、などをチェックしてください。

家賃下落の設定は妥当か?

物件を長く運用するうちに、家賃を下げなければならない時期が来るかもしれません。社会情勢の変化、築年数の経過、物件の人気の低下などがその要因になります。

収支シミュレーションで、家賃の下落リスクが考慮されているかも必ず確認しましょう。

節税効果は本当にあるか?

不動産投資で赤字が出ている場合は、他の給与収入や事業収入と損益通算をすることで、節税効果が得られる場合もあります。

ただし、節税効果を得るためだけに赤字経営を続けると、追加融資を受ける場合や物件の売却を考える場合に、うまくいかないリスクもあります。

本当に節税効果が得られるか、そのような経営方法に無理はないのか、これらが収支シミュレーションにおいて考慮されているのかを、担当者と税理士に確認しましょう。

詳しくはこちら|不動産投資による節税効果とは?カラクリ解説【シミュレーションあり】

実際の収支シミュレーション

物件の種類や投資する金額などの別に、収支シミュレーションを見てみましょう。今回はごく簡単なシミュレーションにとどめます。

(参考:https://www.ms-toushiguide.jp/real-estate-investment-yield#i-9

新築区分マンションのシミュレーション

東京都江東区にある最寄駅まで徒歩5分の新築マンション、鉄骨鉄筋コンクリート造を3,580万円で購入した場合です。1.7%の金利で返済期間35年、頭金10万円と頭金500万円の2つのパターンを検討します。

※家賃の下落率は1年あたり1%、管理・修繕費は変動がないと仮定しています。

頭金10万円の場合

月々のローン返済額:112,838円
管理・修繕費:10,860円
家賃収入: 110,500円(サブリース契約)

1か月の収入1か月の支出1か月の収支
現在110,500円123,698円-13,198円
10年後100,943円123,698円-22,755円
20年後91,291円123,698円-32,407円
30年後82,562円123,698円-41,136円
36年後

(ローン完済後)

77,730円10,860円66,870円
40年後74,668円10,860円63,808円
47年後

(法定耐用年数いっぱい)

69,595円10,860円58,735円

頭金500万円の場合

月々返済額:97,351円
管理・修繕費:10,860円
家賃収入: 110,500円(サブリース契約)

1か月の収入1か月の支出1か月の収支
現在110,500円108,211円2,289円
10年後100,943円108,211円-7,268円
20年後91,291円108,211円-16,920円
30年後82,562円108,211円-25,649円
36年後

(ローン完済後)

77,730円10,860円66,870円
40年後74,668円10,860円63,808円
47年後

(法定耐用年数いっぱい)

69,595円10,860円58,735円

頭金500万円を用意した場合の方が、収支がマイナスとなる期間が短く、またマイナス幅も小さいことが分かります。

実際には、築年数が経過するにつれ修繕費が増大する可能性があること、大規模修繕の費用も必要になることから、収支はより厳しいものになることが予想されます。

この物件は、新築物件であり最寄駅まで徒歩5分という利便性の高さを考えると、家賃を高めに設定して収支を黒字化するという方法も考えられます。

仮に管理会社とサブリース契約ではなく集金代行契約を結び、家賃収入が114,229円だった場合のシミュレーション結果は次の通りです。

1か月の収入1か月の支出1か月の収支
現在114,229円108,211円6,018円
10年後104,350円108,211円-3,861円
20年後94,372円108,211円-13,839円
30年後85,348円108,211円-22,863円
36年後

(ローン完済後)

80,354円10,860円69,494円
40年後77,187円10,860円66,327円
47年後

(法定耐用年数いっぱい)

71,944円10,860円61,084円

中古区分マンションのシミュレーション

東京都杉並区の最寄駅まで徒歩4分の中古マンション(2011年5月竣工)を2,400万円で購入した場合の利回りのシミュレーションです。なお、1.7%の金利で返済期間35年、頭金なしでシミュレーションを行います。

※家賃の下落率は1年あたり1%、管理・修繕費は変動がないと仮定しています。

月々返済額:75,858円
管理・修繕費:13,730円
家賃収入:93,425円(集金代行)

1か月の収入1か月の支出1か月の収支
現在93,425円89,588円3,837円
10年後85,345円89,588円-4,243円
20年後77,184円89,588円-12,404円
30年後69,804円89,588円-19,784円
36年後

(ローン完済後)

65,719円13,730円51,989円
38年後

(法定耐用年数いっぱい)

64,411円13,730円50,681円

中古マンションは、新築物件に比べて、投資スタート時点で家賃を安めに設定しなければいけないこと、より早い段階で法定耐用年数を迎えることに注意して、収支計算を行いましょう。

家賃を高く設定することは難しいケースが多いので、毎月のローン返済額をできるだけ抑えること、具体的には頭金を準備して融資額を低く抑えることが、収支をプラスにするためには有効でしょう。

上記の物件で頭金を600万円用意し、融資額が1,800万円だった場合、シミュレーション結果は次のようになります。

(月々返済額:56,893円 https://keisan.casio.jp/exec/system/1256183644 にて計算)

1か月の収入1か月の支出1か月の収支
現在93,425円70,623円22,802円
10年後85,345円70,623円14,722円
20年後77,184円70,623円6,561円
30年後69,804円70,623円-819円
36年後

(ローン完済後)

65,719円13,730円51,989円
38年後

(法定耐用年数いっぱい)

64,411円13,730円50,681円

以上のように、収支シミュレーションを行うことで、オーナーの考えている家賃やローン返済方法が妥当なものか、将来の収支の状態はどうなるのかが明白になります。

不動産投資を始める前に、不動産会社の担当者と共に何度もシミュレーションを行って、マンション経営方針を決定しましょう。

まとめ+α

ワンルームマンション投資は、得をする人、損をする人が決まっているのではなく、「得をする人になろうと努力できるオーナー」が、成功を収めます。

そして、成功を収める可能性の高いオーナーは次のような人です。

・周辺の家賃相場、物件の状況、ニーズなどを踏まえた物件選択ができる
・物件の現在だけではなく将来の姿まで考慮して収支シミュレーションを行うことができる
・新築物件と中古物件の違い、頭金ありとなしでの収支シミュレーションの違いなど、さまざまなケースのメリット、デメリットを考えて投資方針を決めることができる

この記事を参考にしていただき、ワンルームマンション投資で成功するオーナーになるための努力を、今日から始めましょう。