年収500万円で不動産投資は可能?投資できる物件や融資額を解説!

2022.4.13  
レイビー編集長 小泉由貴乃レイビー編集部
年収と不動産 お金のすべて

老後資金の確保など資産形成を目的として、不動産投資を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

不動産投資は金融機関から融資を受けて物件を購入するのが一般的ですが、ご自身の年収でローンを組めるのか不安に感じている方もいるでしょう。

そこで今回は、年収500万円で投資できる不動産投資について解説します。

受けられる融資の平均額や投資できる物件の種類、年収500万円未満の方の場合なども解説しますので、これから不動産投資を始めたい人はぜひ参考にしてみてください。



年収500万円で不動産投資は始められる?

不動産投資を始める?

年収500万円で不動産投資が始められるのか不安に感じている方は、「年収500万円でも不動産投資ローンの借り入れができるのか」を知りたい方がほとんどでしょう。不動産投資物件の購入の際には、不動産投資ローンを利用するのが一般的だからです。

結論から言うと、年収500万円の方でも不動産投資を始めることは可能です。

ただし、金融機関は個人の年収のみで融資可否の判断をしているわけではありません。預貯金の有無や勤務先、会社員なのか自営業なのかなど、本人の属性はもちろんのこと、物件の評価額も大事なポイントとなっています。

そのため、同じ「年収500万円」の方でも、不動産投資を始められる人とそうでない人がいるでしょう。

また、一口に「不動産投資」といっても、規模や種類はさまざまです。

年収だけにとらわれず、ご自身の属性や準備できる自己資金も考慮しながら、ご自身に合う投資方法を選択するとよいでしょう。

年収500万円の人が受けられる融資はいくら?

不動産投資ローン

一般的に、不動産投資における融資限度額は、年収の7~10倍が目安だといわれています。

したがって、年収500万円の人であれば、おおよそ3,500~5,000万円が融資限度額の目安になるといえるでしょう。

しかし、これはあくまで「目安」です。不動産投資ローンでは、年収以外にも本人の属性や物件の評価額なども加味した上で審査されます。

そのため、同じ年収500万円の人でも、30代と50代、サラリーマンと自営業の方とでは融資限度額が異なることもあるのです。

不動産投資ローンにおける本人属性の審査項目

不動産投資ローンにおける本人属性に関する主な審査項目は次の通りです。

  • 年齢
  • 年収
  • 勤務先
  • 勤続年数
  • 自己資金
  • 資産状況
  • 借入金の残債
  • 家族構成・世帯年収 など

不動産投資ローンでは、物件の収益性や担保性なども審査されています。
さらに、賃貸経営が悪化した場合に備えて、本人の返済能力を把握するために本人属性についても審査しているのです。

なお、金融機関によって審査項目や審査基準が異なります。
そのため、同じ人物・物件を審査した場合でも、金融機関によって融資限度額が変わる可能性があります。

また金利や借入期間などの条件も異なる場合があるので、ご自身の希望に合う金融機関を探すことが大切です。

不動産投資ローンの属性評価ポイント

金融機関が融資審査をする目的は、「資金を貸し出した後にきちんと返済してもらえる人であるか」を見極めることにあります。

したがって、本人の属性という観点からいえば、十分な資産があり、安定した収入のある人物の評価が高くなりやすいといえるでしょう。

たとえば、高評価を受けやすいポイントとして、勤務先が上場企業などの大企業である会社員や公務員、勤続年数が長いこと、まとまった金融資産があることなどが挙げられます。

このように、不動産投資ローンで審査される本人属性項目は年収に限りません。本人の年齢や勤務先、金融資産などの条件も考慮して審査されています。

さらに、購入物件の収益性なども重要なポイントの1つであるため、融資を受けられそうな評価の高い物件を選ぶことも大切だといえるでしょう。

ご自身の年収で融資が受けられるか不安な場合は、投資物件を取り扱っている不動産会社に相談してみることをおすすめします。

不動産投資ローンで利用できる金融機関

ここまで解説したように、不動産投資ローンでは物件の収益性や担保性に加えて、本人の属性も審査されます。

また、金融機関によって審査する項目や条件などが異なるため、同じ人物・物件でも審査結果が異なることがあります。

なお、金融機関に関わらず年収500万円の方の場合、諸費用分の自己資金(物件価格の3~5%程度)を準備しておかなければ、融資をお断りされてしまう可能性もあります。

また、金融機関に個人で話を持ち掛けるよりも、提携金融機関のある不動産会社などを通して話をした方が相談に応じてもらえる可能性が高まります。

融資先で悩んでいる方は、投資物件の取り扱いがある不動産会社に相談する方法もおすすめです。

自己資金はいくら必要?

自己資金

不動産投資を始めるには、物件を購入するための資金が必要ですが、不安を感じている方の多くは、頭金や初期費用として自己資金をどれくらい準備すればよいのか知りたいのではないでしょうか。

結論からいえば、物件価格の30~40%の自己資金が必要になったケースもあれば、自己資金ゼロで不動産投資を始めることができたケースもあります。

購入する物件や本人の属性などによっても大きく異なるといえるでしょう。

頭金を多く入れれば、借入金額が抑えられるので月々の返済額は少なくなります。しかし、レバレッジ効果が薄まるというデメリットがあります。

また、ご自身の資産を自己資金として捻出しすぎてしまうと、賃貸経営状況が悪化した場合や突発的な修繕費などでまとまった資金が必要になった場合に対応できなくなる危険性も考えられるでしょう。

とはいえ、自己資金が全く捻出できないとなると、融資に通りにくくなる可能性が高まります。

そのため、少なくとも諸費用分、可能であれば物件価格の5~10%程度を目安に自己資金として準備しておくとよいでしょう。

なお、不動産投資物件の購入では、物件価格だけでなく取得にかかる手数料や登記費用などの諸費用、設備等の諸経費もかかります。

年収500万円で投資できる不動産は?

不動産 種類

それでは、年収500万円の人はどのような不動産に投資できるのでしょうか?先程ご紹介した融資金額の目安「3,500~5,000万円」を考慮しながら解説していきます。

新築区分マンション

年収500万円の方が検討しやすい物件の1つとして、新築区分マンションが挙げられます。

たとえば、都心にある3,000万円前後のワンルームマンションなどが考えられるでしょう。

新築物件の場合は中古物件よりも担保評価が高い傾向にあり融資を受けやすいため、自己資金が少なくても検討しやすいというメリットがあります。

ただし、将来的には築年数経過による家賃下落や空室、修繕、物件価格の下落などのリスクがありますので、対策を考えておく必要があるでしょう。

中古区分マンション

中古区分マンションも年収500万円の方の選択肢に入りやすいでしょう。

中古物件の場合、築年数などの条件にもよりますが、都心部でも2,000万円以下で販売されているワンルームマンションも存在します。新築よりも低い価格で購入しやすいため、立地が良いなど好条件の物件も検討しやすいといえるでしょう。

一方で、中古物件は新築物件よりも担保評価が低くなる傾向にあり、フルローンでは融資を受けられないケースが多いため、ある程度の自己資金を準備する必要があります。

また、新築よりも空室や修繕などのリスクが高いので、物件選びをより慎重に行う必要があるでしょう。

一棟アパート

年収500万円の方は、郊外にある小規模の一棟アパートも視野に入れられるでしょう。

一棟アパートは投資対象となる戸数が多いため、区分マンションよりも収益性を高めやすいというメリットがあります。

しかし、区分マンションよりも物件価格が高額になることから、必要となる自己資金も多くなりやすいといえます。

また、規模が大きくなる分家賃下落や空室、修繕などのリスクも大きくなりやすいといえるでしょう。

一棟アパート投資を検討する場合は、購入後も賃貸需要の見込める立地であるかなどの見極めが大切です。

年収500万円で不動産投資をする人の特徴

不動産と人

ここでは、年収500万円で不動産投資をしている人の特徴について解説します。ぜひ参考にしてみてください。

属性を上げる努力をする

年収500万円の方の中には、希望する物件を購入するためにご自身の属性を上げる努力をしている人もいます。

たとえば、本業の昇進試験を受けて年収を上げる、自己資金を貯めるなど。

物件探しと並行して、融資に関する情報を収集している人もいます。

不動産投資をしたいと考え始めてから実際に物件を購入するまで、数年かかるケースも珍しくありません。

不動産投資では、最初の物件選びが非常に重要です。さらに、金融機関選びも重要なポイントの1つとなっています。

できる限り良い条件で借り入れができるように、ご自身の年収や属性を上げる努力をするのもよいでしょう。

現金で購入する

今回解説しているように、金融機関が審査する項目は年収だけではありません。そのため、購入したい物件や本人の属性など、年収以外の項目で融資を受けられないことも考えられます。

融資に通らなかったけれど不動産投資を始めたいと考えている人は、現金で購入するという方法も考えられるでしょう。

年収500万円で融資に通らない人の中には、現金で購入できる範囲の物件から始める人もいます。たとえば、地方の築古戸建てであれば、300万~500万円程度で購入できる物件もあります。

しかし、先ほど例に出した「地方の築古戸建て」の場合、空室や修繕などのリスクが高いケースも多いでしょう。

さらに、不動産投資ではなるべく手元に現金を残しておいた方が投資戦略の幅が広がるので、現金買いが必ずしもよいとはいえません。

投資物件を現金で購入する場合は、ご自身の資産状況やライフプランなどを含めて総合的に判断することをおすすめします。

年収500万円未満の不動産投資

お金を貯める

ここでは、年収500万円未満の方が不動産投資を始めるために必要なことについて解説します。ご自身の状況に応じて、必要な対策を始めてみましょう。

400万円以上500万円未満の場合

年収400万円以上500万円未満の場合、自己資金ゼロでは融資審査に通らない可能性があります。

そのため、収入を上げる努力をする、自己資金を貯める、他の借入金額を減らすなど、属性を上げるための対策をすることをおすすめします。

金融機関と提携している不動産会社に相談することも戦略の1つです。

投資物件の取り扱いがある不動産会社の中には、金融機関と提携を結んでいるところがあるからです。

個人で対策するよりも、不動産のプロに相談した方が有効な対策をしやすいでしょう。

年収400万円未満の場合

年収400万円未満の場合は、まとまった自己資金を準備することから始めることをおすすめします

自己資金が少ないと、融資をお断りされる可能性が高いからです。

民間の金融機関での融資が受けにくい場合は、日本政策金融公庫からの融資も検討してみるとよいでしょう。

ただし、日本政策金融公庫は「事業」を対象に貸付を行っているため、「不動産投資ローン」は取り扱っておらず、投資目的では融資を受けることができません。また、融資申込の際には、事業計画書などの書類が必要となります。

日本政策金融公庫の担保評価は低い傾向にあるため、他の金融機関から融資を受けた場合と比べて、購入時に必要な自己資金は多くなります。

借入金額に上限があることや借入期間が比較的短いことにも注意しましょう。

年収400万円未満の方は、まずは資金を準備すること、そしてご自身の年収や属性を上げるための対策を行うとよいでしょう。

年収500万円の人が不動産投資をする際の注意点

不動産投資を始める際の注意点

今回解説したように、不動産投資ローンにおける審査項目は年収以外にもさまざまなポイントがあります。

そのため、同じ年収の人であっても、購入する物件や本人の属性によって、融資結果が異なるケースも考えられるでしょう。

年収500万円で不動産投資を始めることに不安を感じている人は、物件選びから不動産会社に相談することをおすすめします。

また、金融機関によって金利や借入期間などの条件が異なります。そのため、物件選びと並行して、融資に関する情報も集めていくとよいでしょう。

まとめ

ポイント

不動産投資では、不動産投資ローンを利用して物件を購入する方法が一般的です。

不動産投資ローンの借り入れには審査があり、購入したい物件の収益性や担保性だけでなく、本人の年齢・勤務先・年収などの属性なども評価されています。

今回ご紹介したように、年収500万円の人でも不動産投資を始めることは可能です。

しかし、年収以外の属性や購入する物件によって、融資の通りやすさは大きく異なります。

不動産投資を始めるにあたってご自身の年収に不安を感じている人は、投資物件の取り扱いがある不動産会社に相談してみることをおすすめします。

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レイビー編集長 小泉由貴乃

監修:小泉 由貴乃(レイビー編集長)

管理業務主任者、マンション管理士、3級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後、衛生用品メーカーで経理業務を担当。2016年 株式会社グローバル・リンク・マネジメントに入社。建物管理部門に所属し、マンション管理士、管理業務主任者の資格を活かし、管理組合の管理事務に携わる。2019年 レイビーのサイトリニューアルを機に、レイビー編集長に就任。マンション管理業務で得た知識を生かして、コンテンツ制作のディレクションを担当。出社前のジム通いが日課で、趣味はグルメ探索と実家のうさぎを愛でること。 レイビー公式Twitterアカウント(@R_E_I_B)

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