第2回「オリンピックで生まれ変わる都市、東京」

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都市政策視点でみた東京の魅力2015

【第二回】オリンピックで生まれ変わる都市、東京

新国立競技場の建設やエンブレム取り下げで、課題が噴出した2020年東京オリンピックですが、開催に向けたインフラ整備が急進展することは間違いありません。オリンピックで生まれ変わる都市、東京の未来予想図を俯瞰してみましょう。

2020年東京オリンピックに向けた、国際イベントが本格化

2015年夏、2020年東京オリンピックの開催に向け新国立競技場の建設やエンブレム取り下げ騒動など、国民的な議論が盛んになりました。いずれもこれから本格的な計画や決定となっていきます。若干スケジュールが後ろにずれてしまいますが、大きくオリンピック開催に向けた影響が出ることはないでしょう。 オリンピック開催によって、これから東京では、世界中から東京ウォッチングが始まっています。既に世界中から観光客が訪れるようになっていて、2014年では630万人まで増えてきました。また、2016年10月に東京都と京都府で、スポーツや文化の振興の在り方などを議論する2000人規模の国際会議「スポーツ・文化ダボス会議」を開くことが決定しました。これは「2020年東京五輪・パラリンピックに向けたスポーツ、文化の振興の大きな流れを作る国際的なカンファレンスです。

このような国際イベントだけではなく、2020年東京オリンピックに向けたプレイベントも東京はもちろんのこと、全国各地で開催されることが予定されています。ロンドンオリンピックの時には、英国各地で何百ものプレイベントが開催されました。東京オリンピックでは、ロンドン以上のイベント数になることが計画されています。さらに、2019年秋にはラグビーワールドカップも開催されます。

このような国際的カンファレンスやオリンピックのプレイベント、ラグビーワールドカップが開催され、世界的な注目が高まってくることから、東京では各種のインフラ整備が加速していくことは間違いありません。これは国際公約でもあるといえるでしょう。

日本の玄関となる羽田空港国際化

羽田空港国際線ターミナルが拡張し、便数の拡大とともに商業施設の24時間化や宿泊施設としてのホテルも開業しました。今後は、国際線の年間発着便数を9万回から13万回まで拡大される事が計画されています。この拡大によって羽田空港ではこれまで使っていなかった時間帯の路線もどんどん増えていくことになります。既に、一部の便では、成田から海外へ飛んでいた場合と比較して、夜行便で行って夜行便で帰国すると、2日短縮することができます。これは、観光客はもちろんのことビジネスでも大変便利になることで羽田の国際化もより一層進んでいくことでしょう。

また、羽田空港の国際化に伴って、品川区や大田区では、ホテル群の建設やビジネスの情報発信基地となるような都市開発・インフラ整備を進めています。さらに羽田空港の国際化に伴って注目されているのが、川崎・横浜エリアです。特に横浜は、長い間開発が滞っていた「みなとみらい地区」での開発が再び活発となるきっかけとなりました。外国企業からも熱い視線を集めています。羽田空港からのアクセスもよく、オフィス賃料なども都内から比べると割安であることもその要因の1つといえるでしょう。

品川・田町間の新駅構想

さらに、上野東京ラインが開通したことで、品川・田町間の車両基地が不要となるために、新駅設置とともにそこの整備構想が本格化してきます。但し、駅周辺の街づくりはオリンピックまでに間に合わない可能性が高いので、オリンピックの開催時には、臨海地区の大会会場に入れない人のために駅前にパブリックビューイングを設置することになると思われます。また田町から分岐して羽田まで使われていなかった貨物線を旅客線に転用する計画が発表されています。途中から羽田空港までは地下に潜るので、工期がかかるためにオリンピックには間に合いません。また浜松町から出ている東京モノレールを東京駅まで延伸して羽田空港へのアクセス環境を増強する計画や、羽田空港からりんかい線へとつないでディスニーランドまで直結させるなどといったビッグプロジェクトも進行していますが、これもオリンピックには間に合いません。しかし、オリンピック後であってもプロジェクトが進んでいくことで、国際都市東京の魅力は高まっていくことは間違いないでしょう。

官民一丸となってオリンピック成功に向けて取り組む

2015年夏は、安保法制によって支持率が低下した安倍政権でしたが、70年談話発表を経てやや支持率は回復してきました。オリンピックに向けた前哨戦は、2015年夏でほぼ終了し、積み残した課題もありますが、今後は、オリンピック成功に向けて官民一丸となってがんばろうという時期に突入します。懸念材料は、中国経済のバブル崩壊です。この他にも外部的な経済要因で日本がどの程度影響を受けるかという不安定要因があります。このあたりは私自身も言及できませんが、いずれにしてもオリンピック開催という国際公約を果たすために、首都圏東京のインフラ整備を進めていくことは間違いないでしょう。

執筆者プロフィール
市川宏雄(いちかわひろお)

市川宏雄(いちかわひろお)

明治大学専門職大学院長
公共政策大学院ガバナンス研究科長・教授

1947年、東京生まれ。
早稲田大学理工学部建築学科、同大学院博士課程を経てカナダ政府留学生としてウォータールー大学大学院博士 (Ph.D.)。
一級建築士。専門は都市政策、都市地域計画、危機管理政策、次世代政策構想。
現在、森記念財団都市戦略研究所理事、日本テレワーク学会会長、日本自治体危機管理学会常任理事、日本危機管理士機構理事長など。
著書・共著に『東京五輪で日本はどこまで復活するか』(KADOKAWA)『リニアが日本を改造する本当の理由』(メディアファクトリー)、『東京の未来戦略』(東洋経済)、『日本の未来をつくる』(文藝春秋)、『文化としての都市空間』(千倉書房)など多数。